全米女子オープンで“泣いた距離”が絶好調 畑岡奈紗「ここまでは思い通り」
◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 3日目(18日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6556yd(パー72)
最終18番は池に近い左ピン。それでも畑岡奈紗はセカンドでしっかりと狙ってきた。右からの風を利用すれば、少し“保険”をかけながら攻めていける状況は織り込み済み。「逆に(右に)逃げてしまうと、パッティングの距離を合わせていくのがすごく難しいのも分かっている。ちょうど中間をうまくいけるように」。上から4m強のバーディパットはカップの手前で右に切れたが、最後まで冷静さを貫き、通算21アンダー首位タイで3日目を終えた。
2番で8mほどの距離を沈めたパッティングが好調。「すごくいいストロークもできているし、自分の思ったところに打てている」とうなずくグリーン上に加え、「100yd以内がうまく寄っているので、そこがすごく大きい」と話す。
3日間の中で最も強く風が吹いても、ウェッジの距離感に自信があるから攻め方の幅が広がる。パー5もセカンドをグリーン近くまで突っ込むだけでなく、レイアップを有効活用。この日は4ホールあるうちの3つでバーディを奪った。3日間トータルでも12ホールで7アンダーと攻略できているのが心強い。
最終日首位スタートから逆転負けを喫した7月「全米女子オープン」では、14番(パー5)で70ydほどをウェッジでミスして「ああいったショットでチャンスにつけていくことが課題。あそこで勝負が決まってしまった」と悔やんだのも記憶に新しい。苦い思い出も糧となり、最後の一戦で花を咲かせようとしている。
「ここかなというのが何となく分かってきているので、すぐに修正もできているんだと思う」。ミスが出ても、ポイントが明確になっているから崩れない。その技術的な安心感とともに、2年前には1打差2位と優勝争いを演じたコースがメンタルに好影響を及ぼしている様子。「好きなコースのひとつでもあるので、そこもうれしく思いながらできているのかな」と笑う。
年間女王をかけた日曜日は、惜敗を重ねてきたシーズンのラスト18ホールでもある。「ここまでは、うまく自分の思い通りに来られている。あした一日も悔いなく、守りに入らず、しっかり攻めのゴルフができれば」。力みなく、最高の締めくくりを見据えた。(フロリダ州ネープルズ/亀山泰宏)