「小学生みたいな基本」から発見アリ 西村優菜は“ご褒美”の最終戦へ
◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 最終日(12日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6349yd(パー70)
「69」のスコアは前日と変わらない。ビッグスコアが出せそうで出せないもどかしさを依然として抱えていそうで、西村優菜の表情は晴れやかだった。「パターでいい“発見”があった。スコアにはつながらなくて、きのうと一緒なんですけど、感覚的にはいい感じだった」と声のトーンを上げた。
渋野日向子と同組でのプレーは1番で2.5mのチャンスを生かすバーディ発進。3打目をピンに絡めた7番(パー5)も獲ったが、続く8番はグリーン左からパターを使った寄せがきつい上り傾斜でショートしてボギーを喫した。後半は1バーディ、1ボギーという結果以上に好機が多かった。パットがひと筋外れる場面も目立ち、その度に悔しそうに体を折ったものの、感触は上々だったという。「ちょっと読みすぎみたいなところも多かったけど、外し方に気持ち悪さはなかった」と振り返る。
スッキリして戦えた理由は、前日のラウンド後に行った練習にある。「ホントに基本的な、小学生みたいなことをしてました」と苦笑するメニューは、ここ最近パッティングの意識で大半を占めていたストロークではなく、ライン取りにフォーカスしたもの。帯同キャディと読みをすり合わせながら、自分が見ているポイントにティペグを挿し、そこから延長線上の80㎝くらい先にターゲットを設定。スピードをイメージしながら、そこに向かって打つ練習をひたすら繰り返した。
特に苦手なスライスラインを徹底して反復。「いままでと違うスライスラインの見え方がしたりした。もうちょっと決めたかったところもあったけど、きのうよりいいストロークで、きのうより決めたところに打てたかな」とうなずく。
ポイントランキング上位60人による次週の最終戦「CMEグループ ツアー選手権」は、80位までのシード確保に“全振り”していたシーズン中盤までの苦労を思えば「ご褒美」でしかない。「やることが決まった感じはある。『(修正点は)なんだろう?』と探って来週に行くよりは(調整)時間に余裕もある。しっかり準備して、しっかり頑張りたい」。ルーキーとして勝ち取ったエリートフィールドでの4日間へ、上を目指す貪欲さがあふれた。(フロリダ州ベルエア/亀山泰宏)