「米国で勝てないと意味がない」 渋野日向子は無念の陥落も“準シード”から再挑戦へ
◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 最終日(12日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6349yd(パー70)
悔しすぎる終戦となった。年間ポイントレース(レース・トゥ・ザCMEグローブ)81位から逆転で80位までのフルシードを目指した渋野日向子だったが、「72」とスコアを落として通算イーブンパー61位でフィニッシュ。ポイントランクは83位に下がり、米ツアー2年目でシード喪失が決まった。
伸ばしていくしかないラスト18ホールは、スタートの1番でバンカー越えの左手前を攻めきれずにミス。手前に外してボギーが先行した。UTでベタピンに絡めた3番(パー3)、10mほどのロングパットを流し込んだ5番でバーディを奪い返しても、7番(パー5)で3オン3パット。「(ウェッジの)3打目も寄らないし、(長いバーディパットを)狙いにいって大オーバーするし、全てがダメでした」。8番でもアプローチを寄せられずに2連続ボギーをたたいた。
後半12番(パー3)ではティショット、打ち直しの3打目を立て続けに池に落とし、5mを沈めて何とかトリプルボギー。直後の13番から始まった3連続バーディを喜べるはずもない。「キレかかったっていうか、キレてましたよね、完全に。ホントに情けないです。最後の最後で…」と苦笑いで首を振る。
最終18番、強烈なアゲンストによってセカンドで5Wを持たされながら、池越えのタフなピンを果敢に攻め込んだ。「最後のセカンドショット“だけ”良かった。ある意味、リラックスして打てた。そういうのが打てるんだったら、最初からリラックスして(いれば)打てただろうに…。難しいなとは思いました」。むしろ、追い込まれた状況で力を出し切れなかった自分へのもどかしさに拍車をかけた。
今季の出場優先順位に当てはめれば、ポイントランク81位から100位までは「カテゴリー11」となり、渋野がルーキーイヤーに保持していた最終予選会(Qシリーズ)上位20人の「カテゴリー14」よりは上位の資格として位置づけられる。2019年の日本ツアー「ワールドレディスサロンパスカップ」で得た3年シードは10年以内の任意のタイミングで行使できるが、いわゆる“準シード”から米ツアーではい上がっていく意向を示す。
「TOTOで帰って、(日本で)体が万全の状態でできたのは久しぶりだったから、すごく楽しかった。でも、ここ(米国)で勝てないと意味がないと私は思っている。いつまでできるか分からないですけど、やれる限りは挑戦し続けたい」。2019年「AIG全英女子オープン」優勝により華々しく始まったキャリアで、初めてともいえるつまずき。乗り越えられれば、この悔しさもきっと大きな財産になる。(フロリダ州ベルエア/亀山泰宏)