「ここ、いいじゃん!」 勝みなみは隣のホールからバーディ奪取で米ツアー最高“63”
◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 初日(9日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6349yd(パー70)
いきなり2連続バーディで滑り出した勝みなみは前半7番(パー5)、ティショットを大きく右に曲げた。ボールがあった隣接する4番のフェアウェイからグリーン方向を眺め、ハッとなった。「ここ、いいじゃん!」
ホール間を仕切っている木はそれほど高さがないため邪魔にならず、左手前に口を開けるアゴの高いガードバンカーも、右に切られたピンを狙っていくなら気にならないアングル。「ホントは(ティショットが)失敗。でも、意外とこっちの方がいいかもしれないとか思い始めて…」。残り230ydほどから3Wで2オンに成功し、バーディにつなげた。「ゴルフ(自体)も良かったけど、ツキもありました。たまにはこういう日もないと、楽しくないじゃないですか」と笑った。
後半も10番からの3連続を含む5バーディを追加し、ハーフ「30」を記録。8バーディ(1ボギー)を量産し、パー71だった4月「DIOインプラントLAオープン」最終日と並ぶ米ツアー自己ベスト「63」で暫定2位につけた。
米ツアー初年度はここまで、シード圏のボーダーライン80位も気になるポイントランキング78位。しびれる状況にも本人は緊張する様子がない。
9月頃に一時帰国した際、米ツアーでもプレーしていた有村智恵と話す機会があった。「経験されている方にも話を聞いて、逆にあんまり気にしない方がいいんだなって思った。ポイントのためにゴルフをやっているわけじゃなくて、自分のゴルフに集中してやることが大事だなって。そこから気持ちが楽になって、後半戦にいい形でラウンドできるようになってきた」と変化を語る。
暫定ながら現状の4人が並ぶ2位タイで終えれば、ポイントランクは次週のシーズン最終戦「CMEグループ ツアー選手権」の出場目安となる60位を上回る55位までジャンプアップする。「ちょっとミスするところもありましたけど、やっぱりミスはつきものだから。気にせずに常に練習でやっていることを意識して、イメージがだんだん良くなる感じがありましたし、久しぶりに自分が納得するゴルフができた」。充実感たっぷりに笑顔でうなずいた。(フロリダ州ベルエア/亀山泰宏)