「あっ、終わった」からの… 渋野日向子は運も味方に逆転シードへ好発進
◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 初日(9日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6349yd(パー70)
10番で8mを流し込むバーディ発進を決めるなど、2アンダーで迎えた折り返しの18番が渋野日向子のターニングポイントになった。
フェアウェイからのアイアンショットは、「あっ、終わった…」とグリーン右手前に広がる池ポチャを予感させる感触。しかし、刈り込まれた土手にキャリーしたボールはそのまま突き刺さるようにして止まった。「プスッてなってた。マジでラッキーでした」。埋まったボールをかき出すような3打目は奥のエッジまで飛ばすしかなかったが、そこからパターで上って下る6mを沈めるナイスパーを拾った。
「18番、デカかった…」と実感を込めた言葉通り、後半に加速。1番は奥に切られたピンまでしっかり突っ込んだウェッジショットがスピンバックでカップをかすめてタップインバーディ。5番もセカンドを3mに絡めて獲った。
「ドライバーがすごいぶん曲がってるので…」と話すように、フェアウェイキープ率78.57%(11/14)はワイドなフェアウェイも手伝っての数字であることは肝に銘じながら下を向かない。左に大きく曲げた16番をバーディにつなげるなど「ラッキーもあった分、気持ち的にも最後まで前向きに回れたラウンドだった」。後半の7番(パー5)では3打目のウェッジで作った2mのチャンスを決めきれなくても、「(傾斜が)なんか気持ちわりーなと思いながら打ってたので、その結果かな」と割り切ることでイライラを静めた。
左からのロングパットが2m以上ショートした最終9番(パー3)も我慢のパーでフィニッシュ。「1パット目、なんやねん」と自虐節で明るく振り返れるのも、18ホールを通して集中力を切らさなかったからこそ。年間ポイントレース81位から来季シードの80位以内に滑り込むためにはポイント加算が必須となる状況で、「66」にまとめて4アンダー暫定17位につけた。
「1日1日、一打一打を大事に、悔いの残らないように」。午前7時10分ティオフのトップスタートで回る2日目も必死に戦い抜く。(フロリダ州ベルエア/亀山泰宏)