最終戦進出「もう信じていいですか?」 西村優菜は華麗なカムバック
◇日米女子ツアー共催◇TOTOジャパンクラシック 最終日(5日)◇太平洋クラブ美野里コース(茨城県)◇6598yd(パー72)◇晴れ(観衆3528人)
伸ばし合いのコースで6打差大逆転を狙うはずだった最終日、西村優菜は前半3番(パー3)でトラブルに見舞われた。右にミスしたティショットはアゲンストの風でもバンカーを越え、キャリーした場所も悪く前方へ大きく跳ねた。警戒レベルを下げていた奥の池まで達し、ダブルボギーが先行した。
「自分も大きなミスをしてしまったし、アンラッキーも重なった。もちろん、スコアの伸ばし合いの中で最初に2つも落とすのはすごくショックではあった。でも、あと10ホール以上ある、前半のうちには絶対(スコアを)戻したい、と」。ビッグスコアが必須だった逆転Vの望みは早々にしぼんでも、視線は落とさない。「ギャラリーの皆さんもたくさんいたので、少しでもバーディで一緒に楽しめたらと思った」。日本のファンが作ってくれる雰囲気に奮い立った。
直後の4番を含めて前半で3バーディを取り返し、後半も伸ばして「69」。通算17アンダー15位タイで終え、年間ポイントレースは51位から48位に上がった。ここまで稼いだ637.384ptは、昨季全日程終了時の55位(朴仁妃/637.150pt)を上回る。ポイントランク上位60人による最終戦「CMEグループ ツアー選手権」(16日~/フロリダ州ティブロンGC ゴールド・コース)の切符も手中に収めたと言っていい。
出場優先順位の低い立場からシード確保、最終戦の切符争いとタフな1年で気を張り続けてきた本人も「もう、(最終戦に行けると)信じてもいいですかね?」と笑う。それでも、ホッとするのは一瞬だけ。「あと2試合残っているっていう面では、ここで終わってしまうともったいない。次は『優勝』という目標を立てなきゃいけない」。キャリアで今シーズン限りのチャンスとなるルーキー優勝の可能性に挑まない手はない。(茨城県小美玉市/亀山泰宏)