優勝か予選会か 米ツアーを目指す吉田優利が思うコト

◇日米女子ツアー共催◇TOTOジャパンクラシック 事前（1日）◇太平洋クラブ美野里コース(茨城県)◇6598yd（パー72）

吉田優利は、11月末から行われる来季米ツアー出場権をかけた最終予選会（Qシリーズ、アラバマ州マグノリアグローブGC）に挑む。「もともと（米ツアーに）行こうとは思っていた。（行くなら）今年が（年齢的に）マックスで、最後かなと思っていて、ちょうどタイミングが良かった」と決断の経緯を語る。

5月の国内メジャー「ワールドレディスサロンパスカップ」優勝で得た複数年シードは“タイミング”に含まれないという。「（もともと）日本のシードがなくなったら、QTに出ればいいと思っているので。まあ、（複数年シードは）ラッキーですけどね」と笑い、自分の中で挑戦に踏み切る状況が整ったからこそだとうなずく。

優勝すればQシリーズを経ることなく米ツアー出場権をつかめる今週の試合に対しても、吉田なりのバランスで向き合う。「（そういう気持ちは）ゼロじゃないし、勝てばQシリーズに行かなくていいのは分かっていますけど、自分がいま優勝できる調子かどうかは、また別の話。一緒にしたくもないし、別にしたくもない感じです」。頭の片隅にはありながら、やはり目下のゴルフの課題への取り組みをおろそかにしたくない。

日々変化するポイントの中でも、ショットの左へのミスが増えたことが悩ましい。ミスの傾向として、左よりも右にプッシュする球がほとんどだったドローヒッター。「右の林に行こうが、プッシュしているうちは調子がいい、みたいな」。しかし、右に出る球をつかまえようとするうちに左に飛ぶ頻度が増えた現在は、ガマンの時期を迎えている。「私にとっては『左（のミス）』が結構きつくて。左に行く球を生かしてスコアを作ることもできるけど、それをやっちゃうと、直すのに時間がかかってしまう」

ほぼ休みなく試合を戦って成績を求めながら、課題克服に取り組んで11月末の予選会を見据える。もどかしいはずの並行作業にも前向きだ。「プロテスト前みたいで懐かしいというか、こんな感じだったなって。プロになると毎週試合があって、成績を出さないといけない。その感覚を結構忘れがちというか、目標に対して（ピークを）持っていくのが難しいなって改めて思っています」。その難しさを楽しむ気配すらにじませて言った。（茨城県小美玉市／亀山泰宏）