「毎試合、気負って気負って…」西村優菜はもがきながら一歩ずつ前へ
◇海外女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 最終日(13日)◇ウォルトンヒースGC (イングランド)◇6881yd(パー72)
今季メジャー最終戦は、シーズン最後のリシャッフル(出場優先順位の入れ替え)が行われるタイミングでもあった。通算イーブンパー21位に入った西村優菜は、年間ポイントレースで85位から76位に浮上。ひとまずノルマを達成した一週間に「いまできる自分の力を発揮できた。点数で言うと、70点くらいかな」と控えめにうなずいた。
「自分のポジション的に苦しい状況は変わっていなくて。毎試合、気負って気負ってっていう感じはあります」。日本を飛び出して挑戦した米ツアー。ルーキーは自らの立ち位置を確立するために日々、全力投球を求められる。
苦労はゴルフだけに限らない。言葉の壁にぶつかりながら、新たな環境に順応していかなければならない部分の方がむしろ大変もしれない。「最初の方は孤立している感じはあった」と素直に吐露しつつ、「あいさつできる仲の選手が増えたり、友達もできたり、すごく楽しくなってきた。徐々に徐々にコミュニティの一員としてできているのは、すごくうれしいなと感じながらやっています」。プレー以外においても、自分の殻を破ろうと必死だった。
最終18番は連日、左から強い風が吹いたパー4。ドローヒッターの西村が特に苦手とするロケーションで、しっかりと1Wを振り切ってフェアウェイをとらえた。スコットランドのリンクスコースで4日間を戦った前週を含め、「この2週間で左風、ちょっとうまくなったんじゃないかな。ちょっとずつ、前に進んでくれているとうれしいんですけど…」。口調は冗談めかしていても、確かな成長を感じられる瞬間がある。
次週は米ツアーメンバーの日本勢ではただ一人、北アイルランドで行われる「ISPS Handa ワールド招待」に参戦。リシャッフルを終えても、出場人数が大幅に絞られるアジアシリーズの出場枠をかけた戦いが続くから休むわけにはいかない。「そこ(アジアシリーズ)に向けて、どんどん上位で戦える回数を増やしていきたい」。目標を見据えるまなざしは力強い。(イングランド・サリー/亀山泰宏)