「1個外して打ち切れなくなった」渋野日向子はパッティングで出遅れ
◇海外女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 初日(10日)◇ウォルトンヒースGC (イングランド)◇6881yd(パー72)
後半15番、アゲンストの風の中でも距離感を合わせて作った2m強のチャンス。渋野日向子はカップの横を抜けたパットに悔しさをあらわにした。「決めなきゃいけないと思っちゃった。なかなかつく回数も少なかったので、あれだけチャンスにつくと…。それを決めたくてしょうがなかったのに、ショートした」。打ち切れない自分にいら立った。
続く16番(パー5)では5Wで2オンに成功。しかし、イーグルトライが2m以上ショートした。カップの手前が下っている繊細なライン。バーティパットもかなり慎重なストロークで沈め、「コロコロコロって(入った)。『もうちょっと打てよ』って思いながら…。入ってくれて良かったけど」。この日唯一のバーディに表情は晴れなかった。
フェアウェイでなかなかボールが転がらず、全英女子としては距離のあるコース。ボールを止めにくい長い番手で大きなグリーンを狙えば、ロングパットを打つ機会も多くなる。奥に外した2番でボギー先行も、悔やんだのは8番の3パット。「最初の方は何とかタッチを合わせて頑張ってましたけど、1個短いのを外してから、なかなか打ち切れなくなった。ちょっとずれてきて、打った瞬間から『あっ…』っていうのが何回かあった」と振り返る。
2019年のチャンピオンとして臨むメジャーの緊張感はなかったと話すが、「65」で単独首位発進した前年大会から一転、3オーバー「75」でカットラインを見上げるスタートになりそう。「これ以上、あんまり落としたくないですし、(2日目は)アンダーを出していかないといけない。あしたも(セカンドは)きっと長いクラブなので、耐えるゴルフにはなると思いますけど、パー5だったり、短い300yd台のところでチャンスを作れるように」
過去4度出場しているこの大会で予選落ちを喫したのは2020年だけ。苦しい状況から歴代覇者の底力を見せたい。(イングランド・サリー/亀山泰宏)