強風でも“あえて”スタンスを狭く 畑岡奈紗のリンクス攻略法
◇米国女子◇フリードグループ スコットランド女子オープン 事前(2日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6494yd(パー72)
畑岡奈紗は前年大会で4日間60台をそろえて7位に入った。翌週ミュアフィールドで行われた「AIG女子オープン(全英女子)」でも大会初のトップ10入りとなる7位。「前みたいな苦手意識は少なくなってきたと思います」とリンクスコースでの戦いに少しずつ自信も芽生えてきた。
リンクスでは不可欠となる風への対処が好成績を支える。前年にシーズンが始まってから、アイアンのシャフトをスチールとカーボンの複合モデル(トゥルーテンパーのスチールファイバー i95)にチェンジ。「横風で(どうしても)流されるんですけど、けんかしたり、意外と負けずに飛んでいってくれる。大きい違いを感じました」。投入から半年ほど経ったスコットランドで改めて恩恵を実感した。
メンタル面のコントロールも成熟してきた。突風にあおられるなど、試合で思ったような距離感を出せないシーンがどうしても多くなるのがリンクス。風を読み、クラブジャッジに集中した上でイメージ通りにいかなくても、距離感のズレの原因をスイングなど技術的な部分に求めないことが大事だと強調する。
「全米女子オープン」、「アムンディ エビアン選手権」と7月に出場したメジャー2試合でいずれも最終日最終組を経験。さらに今週は「スタンスをちょっと狭くしたら、ショットの感覚が良くなってきた」とうなずく。強風の中では重心を低くして安定感を出すため、スタンスを広くするのがこれまでの畑岡だった。「自分の手がしっかり高く上がって、上から打ち込めるようなポジションでと考えたときに、スタンスが狭い方ができるようになっている」。帯同トレーナーとも話し合い、あえて“逆”の調整を重ねる。
「これだけ風が強い中でやる機会は、アメリカではなかなかない。もうちょっとリンクスで自信をつけられれば」。次週の全英女子はリンクスコースではないものの、24年大会の舞台となるセントアンドリュース オールドコースをはじめ、何度もプレーする機会は訪れるはず。攻略法に磨きがかかれば、キャリアもさらに輝かしいものとなっていくはずだ。(スコットランド・アーバイン/亀山泰宏)