渋野日向子が「最下位」も覚悟した今季初戦 新スイング完成までの見通しは
◇米国女子◇ホンダ LPGAタイランド 最終日(26日)◇サイアムCC(タイ)◇6576yd(パー72)
通算10アンダー27位の順位を、ホッとしたような、悔しいような複雑な気持ちで受け止めた。このオフから新スイングに取り組む渋野日向子は、今季初戦を「ぼちぼち、かな」と振り返った。
2カ月前から青木翔コーチとスイング改造をスタートしたが、開始直後はミスショットが止まらず「最下位になると思うくらいの気持ち」で初戦を迎えていたという。ラウンドを終えるごとに青木コーチからフィードバックをもらい、試合のなかでトライし続けた4日間。「気を付けながらプレーしていたけど、なかなか難しい」と理想通りにクラブを振れず、フィニッシュで手を放すショットも多かった。
ショートゲームで粘って3日目までアンダーパーを重ねてきたが、最終日は終盤まで伸び悩んだ。前半2番でバーディを先行させると、3番で2打目をラフに外してボギー。7番(パー5)はバンカーから2mに寄せてバーディとしたものの、直後のパー3でグリーンを外してボギーとする。1ストローク落として迎えた最終18番(パー5)では、グリーン右エッジから8ydをねじ込むチップインイーグルを決めて「71」とし、辛くもアンダーパーで締めくくった。
スイングの完成度は「ゼロに近い」と評価したが、開幕前に抱いていた不安は少しだけ薄れた。「1日はオーバーパーを打つと思っていたので、その割にはスコアが出てくれたかなと思います。でも欲深いもので、まだまだ行けたなという思いもある」と、実戦で手ごたえを感じられたことは収穫だ。
「(スイングの完成は)なるべく早くにしたいですし、メジャーが詰まっている2カ月後くらいには、今のベストを持っていけるように頑張りたい」。次週はシンガポールに移動し、「HSBC女子世界選手権」に出場。「試合を続けながらは難しいと思いますが、一番いい環境だと思う。色々試していきたい」とプランを掲げた。(タイ・チョンブリ/谷口愛純)