「ひっさしぶり~」ノーボギーで優勝争い 渋野日向子の理想は殿堂入り名手
◇米国女子◇LPGAメディヒール選手権 3日目(8日)◇サティコイGC(カリフォルニア州)◇6551yd(パー72)
序盤でなかなかバーディパットが決まらなくても、渋野日向子は「しゃーないな」を合言葉にプレーした。予選落ちが重なった焦りから解放された3日目は、のびのびと「68」をマーク。9月「ポートランドクラシック」初日以来10ラウンドぶりとなるノーボギーに「ひっさしぶり~」と声も弾んだ。
唯一気持ちが乱れたのは7番。右ラフからグリーンを狙った2打目が許せなかった。6UTと5UTで悩み、一度手にした6UTから番手を上げた。「開いて打つぶん、距離も落ちるだろうと思ってピンまでの距離のクラブを持ってしまった」という2打目はグリーンをオーバー。「イライラしながら打った」5mのパーパットをねじ込み、何とか怒りを沈めると、次の8番(パー5)でご褒美が来た。
「本当にいいショットが2つ続いた」と2オンに成功して最初のバーディを奪うと、さらに2つ伸ばしてリーダーボードを駆け上がった。
順位は気にせずプレーすると決めていたが、最終18番で1m前後のバーディパットを打つ前にスコアボードが気になった。「あ、意外と上位にいるな」。自分の名前を見つけて気持ちよくバーディ締め。通算9アンダーで首位と5打差3位につけた。
好位置で迎えるラスト18ホールも、優勝争いは意識したくない。1打差4位スタートの最終日に「76」をたたいた「ポートランドクラシック」の苦い記憶も残っている。
「冷静にできるように、と言いますか。例を挙げるとインビー・パーク(朴仁妃)」。理想のイメージは淡々とプレーを進める米ツアー通算21勝のLPGA殿堂入り選手だ。「ああいう冷静さは経験を積まないとできないのかもしれないし、もともとの性格なのかもしれないけど、私なりに頑張りたい」と話した。(カリフォルニア州ソミス/谷口愛純)