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「勝てるとだけ思って」馬場咲希が歴史的圧勝 17歳の誕生日から4カ月弱で世界一に

◇女子アマチュア◇全米女子アマ 最終日(14日)◇チェンバーズベイGC(ワシントン州)◇6541yd(パー73)

圧巻の勝利の喜びはすぐに涙に変わった。7日間を一緒に戦い抜いた地元のキャディと抱き合い、仲間からウォーターシャワーを浴びるうちに、馬場咲希の胸には込み上げるものがあった。「感動してしまって。優勝して泣いたのは初めてかもしれません」。日本の17歳が世界一の女子アマチュアの称号を実に37年ぶりに手に入れた。

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準々決勝で3ホール、準決勝で6ホールを残して勝ち上がった勢いは、36ホールで争う決勝戦でも止まらなかった。カナダのモネ・チュンを相手に最初の9ホールを終えた段階で5アップ。18ホール終了時点で7アップの大量リード。勝負が早々に決まることを警戒され、現地テレビの生中継時間帯に合わせるため、19ホール目開始までに用意されていた休憩時間は3時間弱にも及んだ。

劣勢に追い込まれたのも一瞬だった。20ホール目の2番から2連続ダウンを喫しながら、「悔しいと思ったけれど、次のパー5で獲ろう」と揺るがない。「『勝てる、勝てる』とだけ思っていた」

プラン通り、続く4番(パー5)で3mを沈めてバーディ。さらに5番、グリーン奥のエッジからの3打目は「素振りをしたときに結構イメージが湧いた」とチップインバーディを決めた。キャディに思わずお辞儀させ、相手の苦笑いを誘うほどのカムバック。その後27ホール目までアップを重ね、下りのバーディパットを沈めた9番(パー3)で決着をつけた。11&9(9ホール残して11アップ)、外国人優勝者としては大会歴代最多差の大勝だった。

今年4月25日、誕生日に日本で行われた最終予選会を通過して6月の「全米女子オープン」に初出場。175cmの長身で注目され、日本人アマとして8年ぶりに決勝ラウンド戦うと、女子高校生の夢はいっそう大きく膨らんだ。「もう一度、この全米女子オープンに出たい」。今大会はその出場権をかけた絶好のチャンス。「優勝するつもりで来た」と勇んで赴いた。

7月にケンタッキー州での「全米女子ジュニア」で初めて本格的なマッチプレーを経験。ベスト32で敗れて感じた。「マッチはゴルフの技術も大切だけど、それ以上に体力とか気持ちの持ち方、精神力なんだって」。酷暑での体力不足を痛感し、今回は日本から持参した米や麺中心の食生活をさっそく実践。「油ものを控えて」と覚えたての米国のピザの味はガマンした。4カ月にも満たないシンデレラストーリーの裏には、恐れを知らないはつらつさと、明確な目標に対し自分を律する強さがあった。

プロゴルファーによる「KPMG全米女子プロ選手権」を除き、来年は「全米女子オープン」をはじめとしたメジャー4大会に出場できる。男子メジャー「マスターズ」の会場で行われる「オーガスタナショナル女子アマチュア」にも行ける。「夢は海外メジャーで優勝すること。全米女子オープンを勝ちたいです」。快挙の先に、もっと大きな夢がある。(ワシントン州ユニバーシティプレース/桂川洋一)

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