練習から飛距離30ydアップ? 渋野日向子イーグル奪取「去年とは変わった」
◇米国女子メジャー◇シェブロン選手権 初日(31日)◇ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)◇6884yd(パー72)
3アンダー10位の好発進はもちろん、プレー内容が渋野日向子の笑顔を輝かせた。「超うれしい!」と切り出したのは、パー5でスコアを3つ伸ばせたこと。前週「JTBCクラシック」では4日間16ホールのパー5でバーディなし。「今週は獲りたいと思っていた。18番がしっかり獲れて、イーグルも獲れた。パー5で伸ばせた1日だった」とうなずいた。
インスタートから2ホール目の11番はパーにとどまったものの、折り返しの18番は残り88ydから52度のウェッジでピタリと絡めた。今季米本土では初めてロングホールを獲って迎えた後半2番。1Wショットをかっ飛ばし、残りは246yd。3Wで2オンに成功し、左下から10mを流し込むイーグルに拳を突き上げて喜んだ。
距離が長く、グリーンも硬いタフなメジャーセッティング。バーディパットを打てるシチュエーションが増えたのは、ティショットで距離を稼げていた部分も大きい。「実は、きのうから結構振れていまして…」とニヤリ。もともと試合モードに入ると飛距離が伸び、練習ラウンド中にそろえた数字が参考にならないことすらある渋野。「月曜、火曜の練習ラウンドと比べて30ydくらい違う」と明かした。
しっかり振り切れている要因について「やけくそです」と冗談めかしたが、「ここに来たときは、これだけ距離が長くてグリーンも速いと、飛ばないとムリというのが分かってしまう。だったら、フェアウェイキープ(に徹する)というよりは“できるだけ前に行こう”というのに切り替えた」。そう考えて振り切れるようになるのも、スイング改造の段階が進み、精度が高まってきているからだ。
風でわずかにグリーンを外れた後半8番(パー3)では、ラフから近いピンに対し、狙い通りの場所に落とす寄せでパーセーブを披露。「ねぇ!あのアプローチ、去年は相当苦戦していたんですけど、できてうれしかったです」と最後まで充実感たっぷりだった。
「あれだけティショットも飛んで、去年より短いクラブで打てていると実感することによって、去年とは変わったなと思う。しっかり予選を通って、メジャー1戦目ということで上位争いしたい」。言葉の端々に手応えがにじんだ。(カリフォルニア州ランチョミラージュ/亀山泰宏)