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畑岡奈紗が日本勢最速で米女子ツアー通算5勝「10勝を目指して」

◇米国女子◇ウォルマート NW アーカンソー選手権 最終日(26日)◇ピナクルCC(アーカンソー州)◇6438yd(パー71)

ホールインワンよりもずっと欲しいものがそこにはあった。同伴競技者の2人に迫られた最終18番(パー5)、2オンに成功した後、10mのイーグルパットを2m以上オーバーさせた。返しのバーディパットもカップの脇を通過していく。外せばプレーオフとなる重圧の1m。畑岡奈紗はその緊張感に打ち勝った。

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「18番の3回のパッティングはぜんぶ、ボールを置くときに手が震えていた。正直、どういうふうに打ったか覚えていない」。7月の「マラソンクラシック」以来のシーズン2勝目、キャリア5勝目は肝を冷やして奪った。これまでの4勝はすべて後続に2打差以上をつけ、うち2回は6打差あった。「ウィニングパットを決めたあとは現実なのかよくわからなくて」。サングラス姿で歓声に手を挙げて応えてもまだ、自分の鼓動が聞こえるようだった。

初日、2日目と立て続けにエースを決め、首位タイで迎えた短期決戦の最終日はスタート直後に加速した。出だし1番でセミラフからの2打目をピンそば1mにつけてバーディ発進。 2番(パー5)で隣のミンジー・リー(オーストラリア)が3打目で先に1.5mのチャンスを作った後、畑岡は内側の1mにつけて譲らず2連続。5番を終えた頃には3打差をつけた。

後半11番(パー3)、グリーン左手前のピンに対し奥から戻るスロープを使い、80cmにつけてこの日5つ目のバーディ。得意の独走態勢を築くかに思われたそこから試練は始まった。13番で2打目を引っかけ、左の小川近くのラフにこぼしてボギー。ティイングエリアが前に出た14番(パー5)も第1打が強いつま先上がりのラフで止まり、バーディを奪えない。気づけば同じ組のリー、チ・ウンヒ(韓国)との差は2打になっていた。

「2打差、3打差でも緊張することはあっても1打差は特別。より緊張感は多かったと思う」。最終的に2人を1打差で振り切り、安堵のため息をついた。通算勝利数は日本勢で岡本綾子(17勝)、宮里藍(9勝)に次ぎ、4勝で並んでいた小林浩美をリードして単独3位になった。22歳256日での節目の5勝は、宮里の25歳1日、岡本の33歳187日を更新して最年少。「10勝を目指してここからはやっていきたい」とさらなる高みを見据えた。

当地は2018年にツアー参戦2年目で悲願の初優勝を挙げた場所。「(当時は)ほとんど独走で最後はプレッシャーがなかった。今までで優勝したなかで一番緊張した最終ホール。そこで勝てたのは大きな経験になる」。苦しんで手にしたタイトルだからこそ、喜びも、今後への手応えもひとしおだ。

昨年のはじめにフロリダ州オーランドに拠点を構え、3年前には口にしなかったお酒で祝杯を挙げるようにもなった。「ワインが好き。白のほうが飲みやすいけどステーキの時は赤ですね」。優勝セレモニーではメモを見ながら英語であいさつ。最後に「GO!ホッグス!」と地元アーカンソー大のスポーツチームのマスコットの名前を呼び、場内を沸かせた。「今週はいろいろ起こりすぎてビックリです」。度重なる試練を乗り越えて、畑岡はまた強くなった。(アーカンソー州ロジャース/桂川洋一)

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