「心の中でチャーシューメン」 渋野日向子にショット復調の“秘策”
◇米国女子◇キャンビア ポートランドクラシック 2日目(19日)◇コロンビアエッジウォーターCC (オレゴン州)◇6478yd(パー72)
爆発を期待させるプレーで、渋野日向子がトーナメントの3分の2を終えた。1アンダー39位タイで迎えた第2ラウンドで4バーディ、1ボギー。終始チャンスメークを続けた「69」は「今年に入って一番ショットの調子が良いと思えた」と言える内容で、通算4アンダー21位タイに浮上した。
午前7時半、日没サスペンデッドで積み残していた1ホールから再開。最終18番で2m強のパーパットを沈めて第1ラウンドを終えると、数十分の休憩を経てチャージをかけた。出だし10番で第2打を2m以内につけてバーディ発進。その後は惜しいパットを続け、ピンそば1mに落とした15番で2つ目を決めた。
中盤の数少ないピンチだった折り返しの18番は、バンカーショットの後の3mをねじ込んでパーセーブした。3番でカップの左フチに1mのバーティパットが蹴られても、「パッティングが入らないことによって、イライラする部分はあったけれど、悪循環にならなかった」と言うほどショットの精度が際立った。後半アウトは2バーディ。最終9番でグリーン右手前ラフからのアプローチミスによるボギーを「詰めが甘いというか、自分らしいというか…本当にダサい」と悔やんだが、充実感を顔ににじませた。
2日間でフェアウェイを外したのは4ホールだけ。前週の「ANAインスピレーション」で今季初めて予選を通過し、上り調子にある。「リズムをすごく考えて今週は打っている。口には出さないけれど、ずっと心の中では“チャー・シュー・メン”と言いながら36ホールを回った」。日本で古くから続く魔法のフレーズを頭で巡らせた。
「練習ラウンドから良い印象があった。他のことを考えず、スイングのリズムだけ考えられるような余裕を、頭にも心にも持てるようになったのかなと思います」
今大会は米国西部の山火事による大気汚染の影響で、開幕前の練習時間が削られ、競技は3日間に短縮された。「日本ではないことがありながら、特に自分の日常生活が影響されるわけではなかった。部屋でゴロゴロしたり、トレーニングもしたり、自由な時間ができて体もリフレッシュできた。良い意味でこの試合で臨めたなと思います。結局は楽しんでますね、あはは(笑)」。笑顔の量も日を連れて増えている。
首位とは8打差。「こういうショットが打って、パッティングが決まれば、きょう以上のスコアが出る。きょう以上のスコアを出さないと上位争いができない。1日しかないけれど、伸ばせるところまで伸ばさないと」。スポット参戦での上位フィニッシュを目指し、最終日の18ホールに臨む。