2020年 AIG女子オープン(全英女子)

畑岡奈紗3度目の正直 上田桃子は経験に胸を張る

2020/08/22 08:29
畑岡奈紗はカットラインとの戦いを制した(R&A、Getty Images)

◇メジャー第1戦◇AIG女子オープン(全英女子オープン) 2日目(21日)◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇6649yd(パー71)

7人が出場した日本勢で決勝ラウンドに進んだのは3人。首位に3打差9位タイの野村敏京のほか、畑岡奈紗上田桃子が午後のプレーでカットラインの網をかいくぐった。それぞれ9オーバー64位タイ、8オーバー52位タイから週末の巻き返しを図る。

畑岡奈紗「成長はあまり感じられない」

一昨年から過去2回の「全英女子」では予選落ち。初日3オーバー33位だった畑岡は前半に重圧のかかる展開になった。「午後スタートで風が強かった」と7番までに4ボギー。縦長・狭小グリーンの名物ホール、8番(パー3)で10mを沈めてバーディを奪っても、「ずっと途中のボードを確認しながらやっていた」という。

バックナインでは初日は真後ろから吹いていた風が、左からの横風になった。「ティショットで距離を稼げず、フェアウェイにも置けず苦戦した」。第1打を大きく左に曲げた12番からの4ホールで3ボギー。さらに苦しくなって迎えた16番(パー5)、ポットバンカーのアゴ近くから放った第3打を懸命にグリーンにのせ、2パットでパーをもぎ取った。

ギリギリでの予選通過に「少しは粘りのプレーができるようになったと思うけれど、やっぱり結果がすべて。カットラインに入るか入らないかという位置。自分の成長はあまり感じられない」と厳しく自己評価した。「風がこれだけ強いと、強い球を打ちたくて上半身に力が入って、余計にコントロールが効かない。前半のアゲンストの風でずっと感じながらやっていた。うまくいったり、いかなかったりの繰り返し」。感性も敏感にしたまま週末へ。ここではまだ、満足できない。

上田桃子「熊本の人に見せたかった」

ベテランの上田桃子もガマンの連続(R&A、Getty Images)

2007年の初出場から数えて10回目。全英では過去に2回、トップ10に入ったこともある。風が吹き荒れた2日を、いずれも「75」で耐え抜いた上田は「(予選通過の要因に)経験はあると思います。少なからず6年間この(米)ツアーで戦って、いろんなバリエーションを身につけられた。それは経験もゴルフIQもあると思う」と歩んできた道に胸を張った。

4オーバーからスタートし、2つスコアを落として迎えた9番で第2打をピンそば30㎝につけてバーディ。16番(パー5)でスピンの利いた第3打がピンフラッグに当たって手前に戻り、チャンスにならなかった不運から気を引き締め直したという。17番(パー3)で10mを沈めてバーディ。第2打をバンカーに入れダブルボギーとした18番を悔やんだが、「みんなタラレバはある。悔しいけれど、逆にそれまで頑張って辛抱した分、あと2日できるチャンスがある」と、うなずいた。

通算9オーバーまでの選手が予選通過という過酷なコンディションを「こんなにタフな状況でゴルフをやったことがあるかな」「ノーマルが一回もなくて、何が正解か分からない」と表現した。「それでも、この試合に出ることを決断してからはかなりのバリエーションを練習した」。思いは豪雨被害を受けたふるさとにある。「熊本の人に4日間戦っているところを絶対に見せたい気持ちもあった」。残り2日も強い気持ちで戦い抜く。

2020年 AIG女子オープン(全英女子)