惜しまれながら引退となったアニカについてアナリストに聞く
アニカ・ソレンスタムと一緒にLPGAツアーに参戦していたドティ・ペッパーに聞きます。
―― アニカのキャリアを振り返るとき、最も大きなインパクトについて
ドティ・ペッパー
「やはり、選手の大会に向けての準備の仕方を変えたことだと思います。選手達は、一試合だけでなくて、シーズンを迎えるにあたって、あるいはキャリアを過ごすにあたっての準備を考えるようになったはずです。彼女達はフィットネスを含め、アニカがどんな姿勢でゴルフに取り組んでいるかを見て、変わったのです。アニカは全てのことをきちんと計算した上で、行っていましたからね。そんなアニカは言うまでもなく、偉大なゴルファーで、メジャーチャンピオンですが、アニカはゴルフに取り組む姿勢を変えた点で大きなインパクトを与えたと思います。」
―― 最初からアニカに何かを感じたか?それとも、体を鍛えるようになってからか?
「アニカが体を鍛えることに励むようになったのは、99年の全米女子オープンで予選落ちしてからだと思います。アニカは続く18ヶ月間で、見違えるような体になりました。アニカは、より鍛えられた肉体を作ることで、ゴルフも向上すると信じていたのです。アニカはメンタルな部分でものすごく強い選手ですが、肉体的な部分では平均で、体に柔軟性があまりありませんでした。体を鍛えるきっかけとなったのは99年のあの予選落ちです。」
―― 引退が近づいてもアニカの涙がほとんど見られなかったことについて
「今年の始めは、2007年には無かった優勝を果たせたことによる安心感からと思われる涙がありましたが、たしかにアニカはあまり涙を見せませんでした。ただ、感情がこみ上げてきたことに、本人も少し驚いたのではないでしょうか?そして、ファンがアニカに感謝するように、アニカはファンに感謝していなかったのかもしれません。それに気づいたことで、胸が一杯になったんじゃないかと思います。」
―― 個人的な思い出はあるか?
「特別な瞬間というのは、なかなか思い出せませんが、アニカはどんな大会でも、同じような姿勢で臨んでいたのが一番強い印象として残っています。全米女子オープンの最終日だろうが、フェニックスやコーニーでの大会であろうが、アニカは常に同じルーティンで準備をしていました。優勝争いをしているときもそうではないときも違いがないのです。アニカは私生活でも全てがきちんとまとめられた計画の下に行動していて、暗礁に乗り上げたら2倍の努力をします。それが私のアニカに対する印象です。」