アマ・その他ツアー

ツアープレーヤーたちの野望<星野英正>

2007/03/05 00:51
母校東北福祉大の『東北福祉会』を通じ、地元・仙台の福祉施設に車椅子と賛助金を寄付した星野。先月22日の寄贈式で、同大学学長の萩野浩基氏(左)に目録を手渡した。

先月のバレンタインの話になった途端、イケメン星野が顔をしかめた。
「今年は、何ももらえなかったどころか、チョコを食べることすらできなかったんですよ~」。なぜなら、14日から3泊4日の日程で断食修行にトライしたから。
研修生とプロ仲間4人。兵庫県・淡路島にある道場にこもったのだが・・・。

「あんなにつらいものとは思わなかった。舐めきっていた」と、振り返る。
空いた時間を利用してキャッチボールでもしようかと、グローブを持参していた。
浜辺をランニングするのもいい、などと考えていたが甘かった。

口にするのを許されたのは、水と茶を1日に2リットルだけ。
「最後のほうは本当に動く気も起こらず、トランプやゲームをして気を紛らわすのが精一杯だった」という。

人生初の断食で、まずいちばんに痛感したのは社会貢献活動の大切さだった。
「世界には、こんな思いをしている子供たちがたくさんいる」。
空腹のつらさを身を持って知ることで、ほっとけない気持ちが増したと星野はいう。
先月には地元・仙台の福祉施設に車椅子や賛助金を寄贈したが、今後もますますチャリティ活動に力を入れていくつもりだそうだ。

そして何より、腹の中をからっぽにすることで「いま自分が本当に欲しいものが、より明確に見えてきた」とも。
「自分の中の物欲がいっさい消えた」と、話したのは昨シーズンだった。
「今は、お金よりも名誉が欲しい」と貪欲に、10月のコカ・コーラクラシックでツアー通算2勝目を上げているが、今回の断食でそんなハングリー精神がいっそう強くなったという。

「今年はますますがむしゃらに、賞金王も狙っていきたい。そして、一時期のジャンボさんのような、ひとつ抜けた存在になりたい」。
そのためにも、まずは打倒・片山晋呉が目標だという。

一見、ゴルフとは関係なさそうなオフのユニークな取り組みが、思わぬ形で星野を本気にさせているようだ。