ツアープレーヤーたちの期待<石川遼くん>
今週のフジサンケイクラシックに石川遼くんが出場する。史上最年少優勝という歴史的快挙を達成して以来、初めてのツアー参戦となる。いまや国民的アイドルの再来を待ちわびているのは、ゴルフファンだけではない。迎え入れるツアープロたちもまた同じである。
あの、5月のマンシングウェアオープンKSBカップで遼くんに1打差で敗れながら、優勝賞金2000万円を受け取った宮本勝昌は「食事をご馳走しなくちゃね!」と笑いつつ、「あのときのリベンジだ!」と、3ヶ月ぶりの再会に胸を躍らす。
遼くんの優勝に大いに貢献したとされる立山光広も、「あのときは、あんなに尽くしてやったのに! あいつ全然お礼がないな」といつもの毒舌で笑わせつつ、「・・・俺的には今度も頑張って欲しいんだよなあ」と、エールを送る。
外見とは裏腹に、「優しくて、非常に気配りの人」とは、親しい人たちの一致した意見だ。そんな立山には、初日が中止となり1日36ホールを消化することになったあの最終日。同じ組で回ることになった、いたいけな15歳を放ってはおけなかった。ときおり冗談を言って、緊張をほぐしてやった。上がりホールでテレビクルーに追いかけられて、すっかり顔が強張ってしまった遼くんに、「ほら、ピースでもしてみろよ」とリラックスさせたのも立山だ。
そんなだから、2度目の挑戦にも温かい目を向ける。
会場の富士桜カントリー倶楽部(山梨)の特徴をあげながら「フック系のあいつ向きかも。日本ジュニアでも頑張っていたから。良い感じで乗り込んでくるんじゃないのかな」と、期待を寄せる。
ファンのみならず、メディアの攻勢にも凄まじいものがあるが「育つ前に潰されてしまわないように・・・みんなで大切に育てていこうよ」と呼びかける。
「予選通過はもちろん、できればもう1勝くらいしてもらって・・・どんどん頑張って大きくなって出てきてもらいたい」と言ったそのココロは「そうでないと、俺ら負けた人間の立場がないじゃない?」。
そのためにも本当の実力をつけて、大きく育ってプロデビューを果たしてほしいというのが“番長”の切なる願い。
「なんたって遼くんは、ゴルフ界の宝だからね!」。
そんな先輩諸氏の期待を一身に受けて、いざ“王子”の登場だ。