ツアープレーヤーたちのチームワーク<伊澤利光>
このほど、野球チームを結成した。その名もズバリ「JOYX(ジョイックス)」。所属先で、マネージメント事務所の名称をそのまま取った。キャプテン伊澤を筆頭にメンバーは専属キャディの前村直昭さんはじめ気の置けない仲間ばかりだ。オフのトレーニングをかねて「そうだ、チームを作ろう」と思い当ったものの、当初は「すぐに9人も集まらないだろう」とタカをくくっていた。
ところがどっこい、あっというまにメンバーは埋まり、さっそく試合をしようということになったのが、先月8月のオープンウィーク。対戦相手は、伊澤の住まいがある福岡県飯塚市の商工会議所だった。
6回裏まで優勢だったゲーム展開も、いっきに形勢が逆転したのは7回表。相手チームのホームランで点を返され、2-3のまま敗れた。ピッチャーは、スポーツトレーナーの猪俣龍巳さん。伊澤の体のケアをはじめ、ソフトバンクホークスの松中信彦選手と契約を結ぶ猪俣さんは私立都城高校時代に野球部でならし、「いわばチームにとって助っ人的存在。その選手がいきなり打たれるなんて・・・いったい、何しに来とるんだ!」と、伊澤キャプテンの厳しいカツが入ったものの「でも、みんなで、楽しい時間が過ごせました」と、チームワークはまずまずの様子だ。
それにしても、父・利夫さんの厳しい指導のもと、8歳からゴルフを始めた伊澤には、これまで本格的な野球の経験がない。そんな選手がいきなりセカンドで、1番バッターをつとめるというから、聞いてるほうは少し心配になってくる。それに、トーナメントではいつも淡々とマイペース。惚れ惚れするほどのショットを打ちながら、そのあとポテポテポテ・・・と言った感じで歩く様子にはかなりのギャップがある。
野球チームを編成したと聞きつけた報道陣に、「伊澤さんが、全速力で走ってるところが想像できない」と突っ込まれて思わず気色ばんだ。ムっとした表情で「それは、俺がトロイってこと!?」と詰め寄ったあと、「・・でも、確かに俺、足遅いけどね~」と、カラカラと笑ったが、そんなチームに早くも次の試合のオファーが来ている。正式にメンバーは決まっていないが、現役のプロ野球選手を集めた最強チームが名乗りをあげている。
実現すれば、なんと大阪ドームを借り切る予定もあるそうで、夢のドリームマッチに「楽しみだなあ」と、今から心待ちにしているようだ。