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佐藤信人の視点 勝者と敗者

13年ぶりの3月開催 “第5のメジャー”の意義

ロリー・マキロイ(北アイルランド)の優勝で幕を閉じた「ザ・プレーヤーズ選手権」(フロリダ州・TPCソーグラス)。第5のメジャーとされるツアーの旗艦大会は今季、開催時期が13年ぶりに5月から3月に戻りました。

個人的には春先の開催は、大会をさらに面白くしたと思っています。マキロイは3月に行われることで、ライグラス(寒冷地用の芝の一種。冬場用に秋に種がまかれ、夏前には枯れる)のコースは、選手の技術がより発揮されやすくなったと言います。一部芝種の異なる5月開催時は、グリーン周りのバミューダ芝のクセが非常に強くなり、打ってみないと(どこに飛ぶか)わからないという運の要素も影響しているように見えていました。

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それぞれ意見はあるかもしれませんが、実際にコースを回った選手の感想であることは確か。マキロイ以外にもダスティン・ジョンソントミー・フリートウッドジャスティン・ローズ(ともにイングランド)、ジェイソン・デイ(オーストラリア)、松山英樹などの実力者が、トップ10にそろった理由の一つかもしれません。

選手たちの意識にも若干の変化があるように感じました。もともと権威や歴史のある大会なので、皆モチベーション高く試合に入ってきます。ただ今年は、4月のメジャー初戦「マスターズ」(ジョージア州・オーガスタナショナルGC)への前哨戦の意味合いも戻ってきました。

ここ数年、大会はマスターズと6月「全米オープン」の間にあるビッグトーナメントという位置づけでした。ただプロにとって、プレーヤーズの優勝もメジャータイトルには代えがたく、中でもマスターズは特別。今後マスターズまでの3週間でトップ選手がそろうのは、27日開幕の「WGCデルテクノロジーズ マッチプレー」(テキサス州オースティンCC)になりそうで、ストローク戦ではマスターズ前の最後の試合、という緊張感の中でプレーした選手が多かったと思います。

春先に調子を上げた選手がグリーンジャケット(マスターズ優勝者に贈られる)を羽織るという近年の流れもあります。優勝会見に臨むマキロイの引き締まった表情はすごく印象的でした。これだけの大会を制しても、浮かれる様子は一切ありませんでした。

ツアーでも最大級の盛り上がりを見せる試合です。開催時期の変更で、大会自体の歴史や価値が揺らぐわけではありません。ソーグラスからオーガスタ。ゴルフファンにとって、さらに待望の春となるはずです。(解説・佐藤信人

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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