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佐藤信人の視点 勝者と敗者

際立った「守るガマン」松山英樹の役者の違い

◇米国男子◇ウェイストマネジメント フェニックスオープン◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7266yd(パー71)

大会連覇、日本勢最多のツアー通算4勝目を挙げた松山英樹選手。今大会で感じた強さはガマン強さです。「耐えるガマン」ではなく「守るガマン」の強さです。何を守ったのか、それは自分のペースです。

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たとえ本調子ではない状況で初日を迎えても、強い選手は最終日に向かって、不安を取り除き、集中し、自分のペースを保つ。ゾーンに入るといいます。スタンドがホールを取り囲み、2万人の観衆が見つめる最終日の16番(パー3)。アドレスに入った松山選手がショットを打ち始めようとしたとき、ギャラリーの奇声でアドレスをほどきました。しかし、仕切り直したショットは、いつもどおりのリズム。簡単に成し遂げましたが、これは並みの選手ではできません。

ウェブ・シンプソンが決めたら負けという場面が続いたプレーオフでも、パーを取り続けて勝負を急ぎませんでした。勝負が決した後に「早く終わってほしかった」と話したそうですが、その気持ちをまったく表さない。ディフェンディングチャンピオン、そして出場選手の中で世界ランク最上位(5位)として出場しての優勝です。大変な注目、期待の中で結果を残した選手のプレーぶりを「たんたんとプレーしていた」といいますが、これができる選手は、その時代に一番強い選手といえます。

半面、1打差首位で最終日を戦って「73」で、結局6位だったアン・ビョンフンは自分のペースを守れませんでした。思わぬミスショットが出たり、短いパットを外すなど、バック9でもろさを露呈しました。想定外のことが起こったとき、いかに自分のペースを守れるか。こういった崩れ方を見ると、松山選手の役者の違いが際立ちます。

今回の優勝で、周囲の「マスターズ」への期待も高まります。メジャーの優勝は実力に加えて、調子がいい、流れがいい、相性がいいといったプラスアルファが必要です。結果を残し続けている最近を見れば調子、流れはいい。相性の部分でも、2015年5位、16年7位です。特に昨年は、3位で最終日をスタートし、優勝を意識しながらプレーをしました。この経験は、今年の最終日に生かされることでしょう。(解説・佐藤信人

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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