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佐藤信人の視点 勝者と敗者

“かつての日本”を取り戻してみては?

2018/02/13 16:55

アフィバーンラトが3年ぶり欧州Vで幕を閉じた同大会(Stephen Blackberry/Getty Images)

◇欧州、アジア、豪州共催◇ISPSハンダ ワールドスーパー6パース◇レイクカリーニャップCC(オーストラリア)

宮里優作選手や小平智選手らが出場した「ワールドスーパー6パース」は、ストロークプレーで第3ラウンドまでを行い、上位24選手がノックアウト方式のマッチプレーに進出するという変則的な大会でした。

ゴルフのトーナメントは基本的に72ホールで競われるストロークプレーが採用されていますが、今回のようにゴルフの楽しみ方は1つではなく、多くの競技方式を提供することもゴルフファンの裾野を広げるために必要な施策だと感じるのです。

今回の6ホールでのマッチプレーは斬新な方式で、「せめて9ホール必要では?」「スピード感があって楽しい」といろいろな意見があったようです。確かに両方の意見があるのは当然ですが、新しいチャレンジも古くからの形式もすべてがゴルフの見せ方であり、楽しみ方であることは間違いありません。

特にゴルフをより多くの人に楽しんでもらうための施策として、近年の欧州ツアーの動きは目を見張るほど活発です。今回の6ホール決戦だけでなく、ショットにかける時間に制限を設け、時間をオーバーした選手は1回につき1罰打を科す「ショット・クロックマスターズ」など、ストロークプレーの欠点である“スピード感”を改善しようと形にしている点がすばらしいと思います。

欧州ツアーだけでなく、近年のルール改訂の動きでもその影響は明らかに見られます。2019年に新たに大きく変わると目されていますが、ロストボールを探す時間が大幅に短縮されたり、ルールをより簡素化したり、スロープレー打開の流れはより強まることが予想されます。

では国内ツアーは取り残されているのか。いや、そうではありません。ストロークプレー以外の方式が真新しいかというと、そうではないからです。かつてはマッチプレーでのメジャー大会、男女同一会場での同週開催、ポイント制で争われた「アコムインターナショナル」(1990年から98年まで実施)など、競技フォーマットは多様でした。新しい施策を取り入れるというよりは、かつて日本で行われたバリエーションの豊富さを取り戻せば良いわけです。

また近年、男子では「ネスレ マッチプレー レクサス杯」(ツアー外競技)「ISPSハンダマッチプレー選手権」といったマッチプレーの大会が増えました。レギュラーツアーではそれ以外の方式がすぐに難しいということであれば、今季からAbemaTVと契約したチャレンジツアーがひとつの挑戦の場として最適ではないかと期待できます。単純ではありますが、インターネット上でザッピングをしていた若者層が、ゴルフを見るチャンスが増えるわけですから、少しでもゴルフ人口増加への可能性を秘めているわけです。

今回の欧州、アジア、豪州共催の大会で感じたことは、試合の形式は決して1つではないこと。長時間を要する「マラソン」を見て楽しいと思う人もいれば、「短距離走」を見て楽しいと思う人もいます。ストロークプレーを大きく崩す必要はありませんが、それ以外のバリエーションを増やすことも重要だと思うのです。(解説・佐藤信人

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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