羽川豊、イップスを乗り越えて掴んだ優勝
2011/07/08 18:58
国内シニアツアーの開幕戦「トータルエネルギーCUP PGAフィランスロピーシニアトーナメント」で20年ぶりの優勝を手にした羽川豊。シニアツアーデビューから3年目にして、初の同ツアー優勝でもあった。
羽川は81年の「日本オープン」を制し、91年に「インペリアル」、「静岡オープン」と2週連続優勝を果たしている。しかしその後2000年の「日本プロ」を最後に2008年まで試合には出場を断念。その理由はイップスからだった。「パターなんて手が震えて打てないくらい」と当時を振り返り、ホールアウトさえできる気がしないと恐怖感を感じたそうだ。
「試合に出場していなかった間も、解説の仕事の他にラウンドはしていましたよ。シニアツアーにデビューする1年ほど前にたまたま家にあった長尺パターを打ってみたら、スムーズに手が動いてね。それからグリーンでの不安もなくなったから、試合もできるかなって思ってね」と、そのイップスの解消がシニアツアー参戦のきっかけとなった。
ドライバー、アイアンに至っても、様々なシャフトを入れてみたり、様々なクラブを試したと言う。現在は以前使用していたX100のシャフトをアイアンに差したことで、ショットが劇的に変わったことを明かした。「固定概念を捨てて、新しいものを探すことも大切だとわかりました。しかも、探せば自分に合うものが必ずあるということも」。様々な経験をしている羽川の言葉には深い説得力がある。
「思うようにできるようになってくると、ますます面白くなってくる」。それが、羽川がゴルフを止めない理由だ。今年はシニアツアーを盛り上げていくと宣言した羽川だが、この優勝を機に、ツアーの手綱を引いていくような活躍に期待したいところだ。【埼玉県大里郡/糸井順子】