2020年 日本シニアオープンゴルフ選手権競技

地の利を生かした寺西明 メジャー初Vに「鳴尾の女神が微笑んでくれた」

2020/09/20 18:00
14番でティショットを放つ寺西明。地の利を生かした戦いだった(JGA提供)

◇国内シニアメジャー◇日本シニアオープン 最終日(20日)◇鳴尾GC(兵庫県)◇6601yd(パー70)

地元・兵庫県出身で、鳴尾GCはアマチュア時代から頭の中も含めて何万回もラウンドしたという寺西明。後続に5打差をつけて、ただ一人アンダーパーフィニッシュとなる通算5アンダーでの優勝にも「生意気なことを言うと、本当はもう少し出ると思った」とぶっちゃけた。

「(2年前の)北海道でもチャンスだったけど、地元優勝したいっていうのがありました。ここはグリーンも止まらないし、簡単に攻められない。難しいからチャンスでもある、と思っていた」と、地の利を意識し、開幕前からしっかり準備を重ねてきた。

それでも「身体も動かなくなっているし、きつかった」という最終日は、序盤4番、8番でボギーが先行。9番では2打目が左の木に当たって「ロストかと思った」と冷や汗が出たが、この球はレッドペナルティエリア内の打てる場所で見つかった。3打目をグリーンエッジまで運び、10ydをパターで沈めてパーセーブ。「きのうは牙を剥かれたけど、きょうは鳴尾の女神がいた。流れが変わりましたね」と、ぐっと勝利を手繰り寄せた。

優勝インタビューでは会社関係者や家族、鳴尾GCやJGAへの感謝の言葉が並べられた。49歳でプロ転向した努力の人は「アマチュアでやっていても、このタイトルを獲れることを示せた」と青空に胸を張った。

念願だったビッグタイトル「日本シニアオープン」を制したが、「目標はまだまだある」と寺西は視線を上げる。「日本オープンや、海外の試合、賞金王もある。それにビジネスもやっている。ゴルフだけじゃなく、人生の目標もたくさんあります」と、54歳は貪欲に未来を見据えた。(兵庫県川西市/今岡涼太)

18番はガードバンカーに入れてボギーフィニッシュ。それでも後続に5打差をつける完勝だった

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