夢をつなぐ大きな1勝 畑岡奈紗は国内ツアーの地盤確保
◇国内女子◇ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 最終日(24日)◇利府GC (宮城)◇6551yd(パー72)
世界で勝つために―。夢をつなぐ大きな1勝を自ら手繰り寄せた。首位タイで出た畑岡奈紗が8バーディ、1ボギーの「65」でプレーして、通算13アンダーで逃げ切ってプロ初優勝。アマチュアで制した2016年10月の「日本女子オープン」に続く国内ツアー2勝目をマークした。
最終組で出ると、1番ではフェアウェイから残り103ydの第2打をピンの根元に落とし、奥2mにつけた。このバーディチャンスを確実に沈め、唇の端をキュッと結び気合いを入れ直した。6番をボギーとしたものの、7mを流し込んだ7番(パー3)から3連続バーディを奪ってトップを守り続けた。
「緊張感があった」という後半は「スイングのテンポと、呼吸が浅くならないよう」意識し12番、13番でバーディを連取。バックナインの難関15番(パー3)をパーで切り抜け、「安心した」と4打リードを保った終盤で肩の荷を少しだけほどいた。
最終18番(パー5)では残り228ydの第2打を、グリーン奥のバンカーにこぼした。リカバリーショットはピンを5mほどオーバー。下りのスライス。「苦手なラインが最後に来たけど、練習どおりに打ったら入ってくれた」と、ボールがカップに消えてバーディ締めとし、両手を挙げて喜んだ。
「スポンサー(ダンロップスポーツ)大会で優勝することができて本当にうれしい。アメリカで成績を残せなかった分、勝つことがいちばんの恩返しだと思っていた。そういう気持ちが強かったと思う」と話した。この優勝で、日本ツアーでは来年の今大会までの出場資格を確保し、ツアー正会員の登録を申請する意向を示した。
主戦場を日本にするのか、米国にするのか、揺れ動く気持ちはまだある。「アメリカで自分のゴルフが全くできず、ここに来てようやく調子を取り戻すことができた。まだ戦えるかもって…」。母国での地盤は1年間ある。あとは伸び伸びと夢に向かって邁進するだけだ。(宮城県利府町/糸井順子)