練習の鬼イ・ボミが“練習の小鬼”に変身?
◇国内女子◇CATレディース 事前(17日)◇大箱根CC(神奈川)◇6,704yd(パー73)
今季未勝利のイ・ボミ(韓国)が昨年、ツアー史上8人目のバースデイ優勝を遂げた大箱根CCに帰ってきた。今年は誕生日(8月21日)が大会最終日の翌月曜となるため、「28歳最後の試合なので、この一年が良い一年だったと思えるように頑張りたい」。1997年からスタートした今大会は、過去20回のうち大会連覇や複数回優勝者がいまだ1人も出ていない。28歳の最初と最後を飾る意気込みで大会のジンクスを崩したい。
前週はLPGAの樋口久子相談役から、「シンプル・イズ・ベスト」とスイングのアドバイスをもらったことが奏功し、初日74位から結局7位に浮上してフィニッシュ。今季5試合目(出場17試合)のトップ10に入り、「プレー中も考え過ぎたりしたら、ヤーデージブックに書かれた『シンプル・イズ・ベスト』を見て思い出す。それを忘れないように」としっかり胸に刻み込んだ。
知らず知らずに不振の悪循環に陥っていた。「わたしは天性の感覚があると思っていたけど、努力していた選手だった。練習しないと自信にならないし・・・」。韓国で賞金女王を戴冠した翌2011年からそう心掛けてきたという。だが、開幕からほぼ毎週試合がある現在の日本ツアーで、調子がなかなか上がらない今季のような展開になると「ショット、パッティングと練習するものが多い。悪いからこそもっと練習しようとなる」と、肝心の試合を戦う体力に影響が出ていた。
シンプルに-。先週からは「何を一番大事にすべきか」という考えに改め、優先課題に集中して練習に臨んでいる。「そろそろ上に(優勝)行きたいなと思います」。前週につかんだ復調の兆しこそ本物と、その瞳は信じているようだった。(神奈川県箱根町/糸井順子)