ツアー史上初の快挙へ マンデー通過の小川陽子が首位と2打差で最終日
◇国内女子◇フジサンケイレディスクラシック 2日目(22日)◇川奈ホテルGC富士コース(静岡県)◇6367yd(パー72)
「(予選通過に)びっくりしています」。そうインタービュー応じる姿が初々しい。6位から出た小川陽子が5バーディ、2ボギーの「69」でプレーして、通算7アンダー4位で最終日を迎える。マンデートーナメントをトップタイで突破して、今大会の出場権をつかんだ。
広島県出身の28歳。2014年に4度目のプロテスト受験で合格し、幼い頃からの夢だったプロ入りを果たした。QTランクは172位で、国内女子下部ステップアップツアーを主戦場としている。4度目のレギュラーツアーとなった今週、初めて予選通過を果たした。
7歳からゴルフを始め、父は歯科医で、広島県尾道市で歯科医院を開業する家庭に生まれた。香川県の香川西高校に進学してゴルフ部に所属。国内男子ツアーで活躍する片岡大育とは同級生で、ともにゴルフ部で切磋琢磨し合った間柄だ。「彼は一番真面目に練習していた。あれくらい一生懸命練習しないとうまくならないのかなって思います」。同級生の活躍はまぶしかった。
米国のゴルフスクール、アズメディア(ASmedia GOLF)出身の下田次郎コーチに師事する。両親の勧めもあり、高校を卒業した後は専修大学に進学した。「プロテストに合格しなかったら、両親は歯科の受付でもさせたいなと思っていたかも」と、本人の意思とは裏腹に、プロゴルファーとは“別の道”も用意されていたとか。
「ジュニアの頃からゴルフを楽しいと思ってやっていたことはなかったけど…。プロになる夢が叶って、新鮮な気持ちで試合の経験をさせてもらっています」。つかんだ夢を今、存分に楽しんでいる。
アイアンショットを得意とする小川だが、目下の悩みは「1Wの飛距離が出ないこと」だという。このオフは初心に帰り、スイングもトレーニングもイチから立て直しを図っことで、1Wの飛距離が10~15yd伸び、現在では240ydを飛ばせるようになった。2打目のクラブでアイアンを選択できる飛距離を手にし、この日はその強みを生かした。
「あしたは緊張しそうです。1番のティショットを、いいリズムでスイングできれば、いい流れに乗れると思います」と、好位置で迎える最終日を前にしても“無欲”だ。国内女子ツアーにおいては、マンデートーナメントを突破してツアー初優勝を挙げた選手はまだ一人も出ていない。優勝すればツアー史上初となる快挙となる。(静岡県伊東市/糸井順子)