賞金シード争いも過熱 高額賞金に燃える選手たち
今季の国内女子ツアーは残り6戦。今週の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」は賞金総額1億4000万円とメジャー級で、来季の賞金シードを確定させたい選手たちにとっては絶好のチャンスであり、またプレッシャーの掛かる大会だ。
今年、国内女子ツアーの賞金総額は前年より約5700万円アップして史上最高を記録した。ここ3年、シードを獲得できる賞金ランキング50位の獲得賞金は、1760万5017円(2014年)、1893万9000円(13年)、1717万4960円(12年)となっており、今年は2000万円が当確ラインと見込まれている。
現在の賞金ランキングは、47位:柏原明日架(1728万円)、48位:香妻琴乃(1690万円)、49位:葭葉ルミ(1663万円)、50位:福田裕子(1652万円)、51位:北田瑠衣(1647万円)となっており、この辺りがシーズン終盤に向けて熱いエリアだ。
今年まで9年連続で賞金シードを保持している北田は、初日に4アンダー2位と好発進を決めた。「シードは獲りたくて毎試合頑張っているけど、ここまで来ちゃったという感じ。あとちょっとなんですけどね」と照れ笑い。ベテランらしく、焦りよりも余裕を醸し出しながらも「もう、決めたい~」とポロリと本音もこぼした。
7月に行われた海外メジャー「全米女子オープン」で初出場ながら14位タイに入った葭葉だが、帰国後は「下手なのに、うまいと勘違いして過信し過ぎた」と大舞台での好成績があだとなって、シーズン後半は予選落ちが多くなった。だが、この日は「ここ最近で一番良かった」という1Wを武器として、チャンスを量産。初日を終えて2アンダー、9位につけた。「あと(出場できる)4試合で優勝したい」と視線も高いところに向けている。
一方で「マンシングウェアレディース東海クラシック」を棄権した後、出場3戦連続予選落ち中の福田は「諦めるわけじゃないけど、なるようにしかならない。やるべきことをやるだけ」と達観している。肋軟骨の炎症によりこの一カ月は無収入となり、この日も4オーバー82位と苦しい出だし。それでも「確かに賞金は大きいけど、結果を意識し過ぎても空回りしてしまうので」と、どっしり構えている。(兵庫県三木市/今岡涼太)