負けるが勝ち?賞金首位陥落のアン・ソンジュは「楽になった」
先週の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で今季3勝目を挙げたイ・ボミ(韓国)は、獲得賞金9,512万円を超えて賞金ランキングトップに浮上。今日21日(木)は26歳の誕生日とあって祝賀ムードが続いている。
「先週、25歳の最後に優勝して嬉しかったので、26歳はもっとアップグレードしたいですね」。今週、単独2位以上に入れば年間獲得賞金は早くも1億円を突破する。これは、06年に大山志保が記録(8月13日に突破)して以来、史上2番目のスピード達成記録となる。
「優勝して体力はちょっとしんどいけど…」とボミ。「今はリズムが良いし、それに集中して頑張りたい」と、韓国でプレーしていたときも記憶にないという2週連続優勝へと突き進む。
だが、一瞬顔が曇ったのは賞金ランキングトップに立った心境を問われたとき。「リーダーは難しいですね」と認め、「(ランキングの)1位と2位は考えないよう、今年の目標である5勝を目指して頑張りたい」と、そのプレッシャーを受け流そうとする素振りを見せた。
賞金ランキングトップに立つプレッシャーがどれほどのものか。先週、ボミに逆転されて2位となったアン・ソンジュ(韓国)の表情を見れば明らかだ。
「逆に楽になりましたね。ずっとトップでプレッシャーがありましたから。トップだから良いプレーをしないといけないとか、女王にならなくちゃいけないとか。抜かれるんじゃないかという不安で、休んでいても休めなかった」と、箱根で見せた表情は穏やかだった。
「先週は打ちたいショットが出なくて大変な一週間だったけど、ちょっとずつ悪いところが見つかってきた」とアン。肩が先に出て、球が左に行くことがあったという注意点は把握済みで、さらに過去3回出場して優勝、11位タイ、4位タイという好相性も今週の活躍を予感させる。
ディフェンディングチャンピオンとして挑む今年は、16ラウンド連続アンダーパーを継続中だ。(歴代最多はアニカ・ソレンスタムの22ラウンド)。せっかく賞金ランクトップに立つ肩の荷が下りたところだが、この調子だとわずか1週間で再びその重荷を背負い込むかも?(神奈川県箱根町/今岡涼太)