躍進の22歳・吉澤柚月 ツアー初優勝へ勝負の後半戦「すごく楽しみ」
日本女子ツアーは8月7日開幕の「北海道meijiカップ」(北海道・札幌国際CC島松C)から後半戦に突入する。今季37試合のうち20試合を終えた前半戦では、吉田鈴、倉林紅、加藤麗奈の3選手がツアー初優勝を飾った。残り17試合となったシーズン。念願の初優勝に最も近い存在の一人が、メルセデスランキング18位につける吉澤柚月だ。試合のないオープンウィークに練習に励む22歳を訪ね、勝負の後半戦へ向かう今の思いを聞いた。(編集部/中村文香)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
千葉県内の練習場に姿を見せた吉澤は、充実したここまでのシーズンを物語るかのように終始リラックスした表情だった。プロ3年目の22歳。26年シーズンは、飛躍の一年になりつつある。今季の出場優先順位を決めるQTランキングは76位。3度のマンデートーナメント(主催者推薦選考会)を含む主催者推薦で8試合の出場チャンスを得ると、トップ10入りを3度記録するなど着実に結果を積み重ね、第1回リランキングを2位で通過した。
「オフにまずはリランキングを突破することを目標にやってきて。やれることはやったけれど、それが結果につながるかは不安だった。推薦をもらっている身だから、結果を残さなきゃいけないプレッシャーも…。でも、試合を重ねるごとに自信も出てきたというか。自分にとってすごく意味のある前半戦になったかなと思います」
飛躍を印象付けたのが、5月の「リゾートトラストレディス」だ。河本結とのプレーオフにもつれ込み、2ホール目で惜敗。それでも2位は、自己ベストフィニッシュでもあった。昨季までトップ10は一度もなく、メルセデスランクも24年148位、25年70位。急成長の要因として吉澤が挙げたのは「修正力」だった。
「自分をコントロールするやり方が分かったというか。ずっと調子がいいわけではないので、例えば球が左にいくなっていう時に、思い当たる節を1つずつホール毎にやってみたり。自分の中で、それは今すごく意識してやっています」
もう一つの成長は、かつて苦手意識を抱えていたグリーン上だ。平均パット数(パーオンホール)は昨季全体34位の1.8141から、今季は全体6位の1.7799に大きく改善している。アマチュア時代から同じモデルのパターを使い続ける一方で、変えたのはストローク時の意識だった。
「パットは苦手意識が強かったんですけど、距離感に意識を向けるようになってから良くなって。これまでは、方向性ばかりを考えすぎていた。感覚でやっていたのを“この振り幅ならこれくらい”という裏付けを持てるようになった。だから、ショットが悪くてもパットやアプローチでカバーできるっていう意識が、心の余裕にもつながっているのかな」
後半戦で目指すのは、もちろんツアー初優勝。ただ、その前にクリアしたい目標がある。まだ出場権を持っていない10月の国内メジャー「日本女子オープン」への切符だ。出場には「NEC軽井沢72」(8月14開幕、長野・軽井沢72G北C)終了時のポイントランクで30位以内に入る必要がある。その先には、ポイントランク上位に出場資格が与えられる日米共催「TOTOジャパンクラシック」も見据える。
「初シードも目標だけど、まずは NEC(軽井沢72)までに日本女子オープンに出られるような位置にいたい。その次にはTOTOジャパンクラシックにも出たい。ずっと頑張り続けなきゃいけないけど、そうすればシードにもつながる。もちろん、優勝したい気持ちはすごくあります。でも、自分は“欲”が出たら本当にダメだから…。一打一打に集中してプレーしていきたい」
試合のないオープンウィークで、完全なオフはわずか一日。この日も千葉県内の練習場でショットだけでなく、パット、アプローチまでみっちりと調整を続けていた。初優勝への期待が高まる22歳は、勝負の後半戦を前に「すごく楽しみ」と声を弾ませた。