気づかなかったディボット跡 小林夢果は痛恨ダボから号泣V逸
◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 最終日(20日)◇熊本空港CC(熊本)◇6565yd(パー72)◇曇り(観衆3275人)
打った瞬間「あっ」と思った。同じ尾崎将司門下で同組の佐久間朱莉と首位で並んで迎えた14番。54度のウェッジのハーフショットで107yd先のピンに絡めるイメージはできていた。ところが、小林夢果の一振りは明らかな“ダフリ”となって、グリーン手前バンカーに落ちた。
「ディボット跡と(ライが)重なっていて…。気づかなかったんです」。3打目は予想以上に砂が少なく、ヘッドが薄く入ってまさかの“ホームラン”となり、グリーン向こう側のラフまで飛んだ。アプローチを寄せきれず、ダブルボギー。対照的に、佐久間が5mのパーパットを沈めて2打差に後退した。
ティショットが暴れてフェアウェイキープに苦しみながら、8番まではボギーなしの1バーディ。我慢を重ねて9番(パー5)からの3連続バーディで首位に並んだが「いい感じだったけど、3連続の後は流れに乗れなかったです」と振り返った。
昨年10月「マスターズGCレディス」以来、3度目の最終日最終組は5バーディ、1ボギー1ダブルボギーの「70」で3位に終わった。閉会式後の囲み取材で、涙が止まらなくなった。「自分に何が足んないのか、今週、本当にわかりました」と言い、課題に「100yd以内」を挙げた。54ホールで出場選手最多の17バーディを量産したことは「次につながります」という。「(上位陣と)そんなに差がないことがわかった。もう行くしかないかなって感じです」。反省と収穫を得て、再びツアー初優勝への挑戦が始まる。(熊本県菊陽町/加藤裕一)