「上出来、100点」 川崎春花が充実の今季初ラウンド
◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 初日(18日)◇熊本空港CC(熊本)◇6565yd(パー72)◇曇り(観衆2856人)
未明からの雨が上がりつつあった午前9時35分。川崎春花がパッティンググリーンから1番ティに向かった。ロープで仕切られた数十mの小道を歩いていくと、両サイドを囲んだファンが温かい拍手で迎えた。
拍手がする方へ何度も小刻みに頭を下げて歩いた川崎は「うれしかったです」と言う。世間を、女子ゴルフ界を騒がせた不倫報道で3月のツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」から5戦連続の“自粛欠場”を経た今季国内初戦。それを受け入れてくれる空気に触れて、2月末の台湾女子ツアー「フォックスコンTLPGAプレーヤーズ選手権」以来の実戦が始まった。
約1カ月半ぶりの18ホール・ラウンドを「結構、頭を使いました。調子があまり良くない中、(実戦にも)あまり慣れていない中で(クラブ選択)の番手、風の読みが難しかったです。自分への期待をあまり上げず、ショットを左右に曲げても、大目に見てました」と振り返る。
実戦、調整不足をツアー5勝の底力でカバーした。序盤3番(パー3)は、ショートサイドでバンカー越し、26ydのアプローチで絶妙のスピンをかけて1m強に寄せ、7番も50ydの第3打を2mにつけて、いずれもナイス・パー。実戦勘不足を補ったことを「100点です」と喜んだ。
6番で113ydを48度のウェッジで手前3mにつけて、初バーディを決めた。終盤16番で7m、17番で10mとロングパットを決める連続バーディでイーブンに戻す粘りも見せた。3バーディ、3ボギーのパープレー「72」は「上出来です」と自己評価した。
開幕からツアーを離れていた間「少しずつ練習はしていた」というものの、感覚はぶっつけ本番に近かった。「まだショットに不安がありますけど、それを練習で消して明日に臨めるようにしたいです」。基本的に控えめに、時折笑顔を浮かべたホールアウト後の囲み取材を終えて、練習場へ。残り2日も丁寧に誠実に、コースとギャラリーに向き合っていく。(熊本県菊陽町/加藤裕一)