パターチェンジの決め手は「バランス」 山下美夢有がツアー新記録も視界
◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 3日目(16日)◇エリエールGC松山(愛媛)◇6575yd(パー71)◇曇り(観衆2569人)
グリーンスピードがしっかりと出ている今週、山下美夢有はパターをオデッセイ 2-BALL TENに新調した。前週まで使っていたピン PLD ミルド オスロ 3 ガンメタルよりも少し軽く、「打っている感じでストロークしやすい。あれに替えて(今週はフィーリングが)いいのかな」と笑う。
ボギーなしの7バーディ「64」と鉄壁に映るこの日のプレーにも「ティショットは結構ラフに行くことも多かった。アイアンも別にイメージ通りではなくて、ミスしたショットがピンに絡んだりということも多くあったので」と、容易には満足しない日本屈指のショットメーカー。ひたすら理想のスイングを求める妥協なき姿勢に対し、かねてグリーン上で使うパターのスイッチについては柔軟かつオープンなマインドを持っている印象だ。
「パターのバランスって、すごく大事だなっていうのが、ここ最近分かったので。それが(今週も)うまくフィーリングが合っているというか、結構いい感じかな」。速いグリーンに対して重いパターを使う対策もポピュラーではあるが、今回は軽いパターの投入がしっかりハマっている形。初日に続く今週2度目のノーボギーラウンドでまとめた。
4番で奪った2個目のバーディは上から2mほどの短い距離でも、下りの高速ライン。“触る”だけの繊細なタッチで決めきると、ティショットが乱れて2m強のパーパットを残した5番もスライスラインをねじ込んで耐えた。「結構危ないパーパットがあっても、うまく入ってくれて流れが良かった。やっぱりパターが入ると、こういうスコアも出ると思う」とうなずく。
通算19アンダー、トータル194ストロークで後続との差を4打に広げた。パー71における72ホールのツアー記録は、2年前のこの大会で藤田さいきがマークした263ストローク。年間女王に輝いた過去2シーズンで挙げた10勝を振り返れば、最終日首位からの逃げ切りが8勝を占める。得意パターンでレコードにも挑むラスト18ホールとなる。(愛媛県松山市/亀山泰宏)