賞金1位の下部最終戦よりレギュラーツアー 権藤可恋が7月急逝の父に届けたい活躍
◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 初日(14日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6575yd(パー71)◇晴れ(観衆2016人)
下部ステップアップツアーの賞金ランキング上位2人には、翌シーズンのレギュラーツアー前半戦出場権が与えられる。今季下部でレースを引っ張ってきた権藤可恋に「大王製紙エリエールレディス」推薦出場の話が舞い込んだ時、まだその2枠は確定していないタイミングだったという。
レギュラーにスポット参戦できるチャンスは間違いなく貴重。一方で同週開催の下部最終戦「京都レディース」を欠場してランキングを下げるリスクも背負う。権藤は前者を選んだ。
後続との差を鑑み、ランク2位以内には残れそうな状況がもちろん大きかった。ただ、それ以上に「レギュラーツアーで今自分がやれることをやって、どれだけできるのか、オフに向けてどういうことをやっていかなきゃいけないのかっていうことを見たい気持ちがありました。ステップアップツアーの中で(好成績をそろえて)満足して終わるより、来年につなげる1試合にしたい」。オフの練習、その先に描くレギュラーでの活躍のために決断した。
「私は(2位以内は)大丈夫かなって思ってましたけど、みんなには『エリエールに行くの?』って(驚かれた)」。推薦のオファーを受けることを決めた後、前週「山口周南レディースカップ」を7位で終えてランク2位以内でのシーズン終了が確定。気持ち良く乗り込んだ、9月「ソニー日本女子プロ選手権」以来今季3度目のレギュラーで首位と2打差の4アンダー7位と好スタートを切った。
7Iで1mに絡めた8番(パー3)から、ハーフターンも挟んで3連続バーディ。後半17番(パー5)ではグリーン奥からピン方向に打てないアプローチを残し、3mほどのパーパットをねじ込むなど、上がり3ホールはナイスセーブが続いた。「前半ちょっと緊張はありましたけど、1ホール1ホール冷静に、ステップアップツアーでやってきたようなプレーがしっかりできたと思う」と手応えがにじむ。
今年7月に父・一夫さんが急逝した。「去年9月くらいに病気が分かって。1回は治ったんですけど、再発してしまって…」。プロになってコーチに師事するまで、ずっとゴルフの師匠でもあった。来季レギュラー前半戦の出場権を得た“報告”ができることを喜びつつ、見据えるのは、もっと上。賞金ランク39位でシード入りした2018年のような活躍を届けるためにも、大事な残り3日間になる。(愛媛県松山市/亀山泰宏)