年間獲得賞金で統合シーズン超えも 新女王・竹田麗央にかかる大記録
◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 事前(13日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6575yd(パー71)
前週「伊藤園レディス」で予選落ちとなり、初めての年間女王戴冠を地元熊本で迎えた竹田麗央。部屋の片づけをしながらスコア速報を追っていたという素朴な言葉通り、その日の夜もお祝いなどはしなかったそうだ。「全然、普通(の食卓)でした」と笑う。優勝した時と同じくらいの熱量で届く祝福のメッセージによって、静かにタイトルの喜びをかみしめた。
2週前の日米共催「TOTOジャパンクラシック」を優勝したことで、12月の最終予選会を経ることなく来季米ツアーの出場資格を得た。前週は2日間で終わってしまったからこそ、「まずは4日間しっかり自分の力を出して、最終日に優勝争いができれば」と手堅く言ったが、全集中できる日本での残り2試合に懸かっているレコードもある。
“珍しく”強いこだわりを示す初のドライビングディスタンス1位(262.72yd)は、昨季ナンバーワンの神谷そら(262.33yd)らと僅差の争い。申ジエ(韓国、2019年)と山下美夢有(22、23年)に次ぐ平均ストローク60台(69.2624)も十分に狙える(山下と岩井明愛も今季平均60台をマーク)。
ここまで8勝を挙げ、海外メジャーを除いた年間獲得賞金は2億5000万円を突破。コロナ禍で統合された2020-21年シーズンで稲見萌寧(出場45試合)が記録した2億5519万2049円まで256万2033円と迫る。
「先週はフェードがあまりかからず、そのまま左に行ったりするミスショットが何個かあった。今週はしっかり自分のフェードが打てるように」。ここから2連勝と最高の形で締めくくれれば、2003年の不動裕理に続く、史上2人目の年間10勝に到達だ。(愛媛県松山市/亀山泰宏)