山下美夢有がまさかのスタート3連続ボギー それでも2週連続Vは射程圏内

◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 3日目（19日）◇マスターズGC（兵庫）◇6506yd（パー72）◇雨（観衆2637人）

ざわつくギャラリーの視線の先に、さえない顔をした山下美夢有がいた。首位と1打差4位の通算10アンダーでスタートしたのに、3番を終えて通算7アンダー。3月「明治安田レディス」第2ラウンドの16～18番で喫して以来9回目、スタートホールからでは自身初の3連続ボギー（ダブルボギーも含む）を叩いてしまった。

スタート1番のパー5、残り94ydの3打目を48度のウェッジで奥カラーに外した。「ちょうどいいと思ったショットが思ったより飛んでしまって」。ピンまで6mをパターで1.5mオーバーし、実質3パットとなった。2番はドライバーショットを左ラフに入れ、2打目をグリーン左前、左足下がりのラフに外して、寄らずのボギー。3番はグリーン奥エッジから13mを再び実質3パットして、ボギーにした。

「ショットの縦距離も合わない。パットも…。今日は全部ダメでした」。今季は102ホール、113ホールと連続ノーボギーホールのツアー記録を立て続けに樹立し、現在のパーセーブ率は91.7796%で部門別1位。ツアーで一番“安全なプレー”をする2年連続年間女王が思わぬ形でつまずいた。

それでも、巻き返した。雷雲接近による1時間43分の中断が明け、5番グリーンに残していた1.5mのチャンスを決め、初バーディ。パー5の8番で3打目を50cmにつけ、9番で3mを沈めるなど普段の姿を取り戻し、前半のうちに“借金”を完済した。

後半のインは1バーディ、1ボギーと伸ばせず、この日は結局パープレーの「72」。首位の岩井明愛、イ・ミニョン（韓国）と3打差で最終日を迎える。「何とかイーブンパーに戻せたので良かったと思いたいです。ショットは良くなっていると思うけど、何かが足りない感じ」と自分に言い聞かせるように話した。7度の2位を経た前週「富士通レディース」の今季初優勝から2週連続優勝へ。「もう伸ばすしかない」と語気を強めた。（兵庫県三木市／加藤裕一）