2年半ぶりの日米通算12勝目へ 畑岡奈紗が底力の「67」
◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 3日目(19日)◇マスターズGC(兵庫)◇6506yd(パー72)◇雨(観衆2637人)
畑岡奈紗が首位と3打差5位で最終日を迎える。この日は首位と6打差20位からスタートし、7バーディ、2ボギーの「67」をマーク。逆転V圏内に浮上した。
「特に何をしたというわけではなく、ショットとパットが噛み合ってくれました」。好天の予選ラウンドから一転、雨模様のコースで前半アウトはパープレー。9番グリーンでパーパットを残した時、雷雲接近による1時間43分の中断へ。クラブハウスで帯同キャディのグレッグ・ジョンストン氏とのんびり過ごした後で、ギアを上げた。
10番の残り158ydの2打目はジャストの距離でない「ビトウィーン(中間)」から、大きめの7番アイアンで抑えて2mにつけると、12番まで3連続バーディを決めた。13番はバンカーにつかまりボギーにしたが、14番で3m、15番で7m、17番で5mを沈めて、上がり5ホールで3バーディ。イン「31」でリーダーボードを駆け上がった。
絶好調ではなく、試行錯誤を繰り返す日々を送る。2年前から取り組むスイング改造。テークバックが小さくなり、フェースのローテーションが強くなる癖をなくす努力を重ねているが、試合が続くと、現状と癖が「ミックスしちゃう。きっちりすべてをやりきれていない」という。
そんな中でもスコアをまとめる。予選2日間で苦しんだパットは吊り手気味だったアドレスを下げ、ヘッドをトゥアップ気味にし、腕と体の一体感が増すように修正。「アドレスのグリップのテンションを変えた」と表現し、この日の7バーディにつなげた。
日米ツアー通算11勝という“日本女子の第一人者”が2022年4月の米ツアー「DIOインプラント LAオープン」以来2年6カ月も優勝から遠ざかる。長年、日本勢トップだった世界ランキングも現在6番手の34位に甘んじる。「今日の後半のいい感じで、最終日への期待感は上がりますけど、まずは自分のやるべきことをやりたい。その先に結果が来ればいいですね」。3打差逆転劇は現実味の高いシナリオだ。(兵庫県三木市/加藤裕一)