「全然考えてなかった」 馬場咲希は“ほぼ無人”の米下部ツアーから2週連続優勝争い
◇国内女子◇富士通レディース 2日目(12日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉)◇6697yd(パー72)◇晴れ(観衆3655人)
米国カリフォルニア州で行われた前週の米下部ツアー最終戦「エプソンツアー選手権」。馬場咲希は最終日を首位と1打差で迎えて「70」で回り、8位に終わった。優勝なら文句なし、単独3位以上でも来季の米ツアー出場権を手にできた。緊張感あふれる戦いだったが、状況はむしろ牧歌的ですらあった。
「ギャラリーさんはほぼいません。近所の人が来るぐらい。犬の散歩の途中の人もいますから」と馬場は笑う。コース内には観衆を制限するロープなどもない。
太平洋を渡った今週は“別世界”だ。ギャラリー数百人から熱視線を浴び、バーディを奪えば拍手と歓声が巻き起こる。そして今、通算9アンダーで首位と1打差の4位にいる。
開幕前には「全然想像してなかった。自分にすごく自信があるわけでもなかったです」と自分でもビックリの国内ツアープロデビュー戦のパフォーマンスには、新パターが大きく貢献している。
ずっと使ってきたL字型から今週、大型ヘッドのテーラーメイド「スパイダーX SX-32」に替えた。「今の私に合っていると思って」。これまで一度も試合で使ったことがないマレット型を、米国にも持っていかなかったものを都内の自宅から父・哲也さんから持ってきてもらって、投入。首位と3打差7位から出たこの日は「68」で回った。奪った6バーディのうち、チップインの後半14番を除き、4番(パー3)の8mを最長に5個をパターで決めた。
国内プロテストに合格した日本人が国内ツアープロデビュー戦で優勝すれば、ツアー初の快挙になる。「昨日と変わらず緊張はしていましたけど、2日目を終えて優勝争いの位置にいられるのはすごく良かったです」。最終組の1組前で、大ギャラリーの注目を集めて回る。注目の19歳は新鮮で楽しみで仕方がない。(千葉市緑区/加藤裕一)