同学年の涙の初優勝にパワーをもらった 櫻井心那&川崎春花が好発進
◇国内女子◇富士通レディース 初日(11日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉)◇6697yd(パー72)◇晴れ(観衆2152人)
櫻井心那は前週「スタンレーレディス」で予選落ちしたことが「すごく残念だった」という。同じ2003年度生まれの佐藤心結がシード落ちの危機から起死回生のツアー初優勝を飾った。最終18番で佐藤を出迎えられず、配信された動画を見ながら一人で泣いた。
ゴルフは個人競技でも、やはり“仲間”の活躍は刺激になる。櫻井はこの日、ボギーなしの7アンダー「65」で回り、首位と1打差2位につけた。「パットが良く入った」と24パット。「きれいに転がってくれて、速さも出ている」という仕上がり抜群のグリーンで気持ちよくチャンスを決めた。
ルーキーイヤーだった22年に下部ステップアップツアー賞金女王となってレギュラーに昇格した昨季は宮里藍、畑岡奈紗に続く「10代4勝」を飾って大ブレークしたが、今季はツアー出場27試合で予選落ち11回の未勝利、メルセデスランキング30位。球筋をフェードからドローに替えてしっくり来ず、再びフェードに戻して調子がようやく上向いてきた。昨年大会覇者は「ショットはまだ探り探りだけど」と言いつつ、大会連覇が視野に入る位置で初日を終えた。
川崎春花も佐藤の優勝に感激した同世代メンバーだ。「オフに一緒に合宿を張ったりしていたし、私の優勝を何度も見届けてくれていたので」。前週は18番グリーン横で佐藤の歓喜を目に焼き付け、ハグで出迎えた。「彼女がすごく苦労していたのを知ってたし、もうめちゃめちゃ泣きました。その後に動画を何度も見て、そのたびに鳥肌が立って」
ルーキーイヤーの22年に国内メジャー「日本女子プロ選手権」での初優勝を含む2勝を挙げながら、昨季は0勝。今季は7月「ミネベアミツミレディス」から1カ月半で一気に3勝して完全復調をアピールした。
この日は7バーディ、1ボギーの6アンダー「66」で3位スタートを切った。「めっちゃいい感覚ではないです。ショットに薄い当たりが結構あって、15番もそれで手前バンカーに入れてボギーになったし」。飛距離とフェアウェイキープ率の順位を合算したトータルドライビング8位のショットメーカーは残り2日で状態を上げ、今季4勝目を狙っていく。(千葉市緑区/加藤裕一)