感涙のツアー初優勝でも崖っぷち 佐藤心結が“連勝したい”事情
◇国内女子◇富士通レディース 事前(10日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉)◇6697yd(パー72)
前週「スタンレーレディス」で感涙のツアー初優勝を飾った佐藤心結の元には数え切れないお祝いメッセージが届いた。「プロテスト(2021年11月)に合格した時よりはるかに多くて…。人生最多じゃないですか」。優勝した6日の日曜に「全然なく」、7日月曜日も「あんまりなかった」という勝利の実感が8日火曜日にコース入りし、プロ仲間、ツアー関係者に「おめでとう!」と声を掛けられてやっとわいてきた。
しかし、それに浸っている場合ではない。
3週後に迫った日米共催「TOTOジャパンクラシック」。プロ1年目の22年から2年連続で出場しているが、今年はやばい。「海外のトップ選手が出るし、やっぱり将来は海外で戦いたい。だから、すごく刺激になる大会。でも、今年は追い込まれていて、それどころじゃなかったので…」。2週前、出場を逃した「日本女子オープン」終了時点のメルセデスランキングは84位。来季シード圏の「50位以内」も遥か遠かった。
「TOTO―」の出場資格は今週終了時点「ランク35位以内」。佐藤は初優勝したものの、現在ランク56位で、ボーダーと151.8pt差。今週は3日間大会で優勝=200pt、単独2位=120pt。つまり「単独2位でもダメなんです」と佐藤はこぼす。
「2週連続優勝がかかるから、と気負いたくはないですけど、結果的に優勝しないと届かない。調子がそんなにいいとは言えないですが、いい流れで来てるとは思う」。優勝して、環境もメンタルも変わった。「自信が持てるようになってきた。今週、コースに入ってきたときは今までにない感じがしました」
実は佐藤を含む2003年度生まれの誰かがあと1勝すれば、同世代で今季12勝。 “黄金世代”の1998年度生まれの「世代別年間最多優勝」の12勝に並ぶ。佐藤が2連勝で12勝目を挙げて「TOTO―」出場権を獲得できれば、こんなにうれしいことはない。(千葉市緑区/加藤裕一)
<世代別年間ツアー勝利数>
1/1998年度生まれ/2019年12勝(渋野日向子4勝、畑岡奈紗、勝みなみ各2勝、河本結、原英莉花、小祝さくら、浅井咲希各1勝)
2/2003年度生まれ/2024年11勝(竹田麗央7勝、川崎春花3勝、佐藤心結1勝)
3/2001年度生まれ/2022年10勝(山下美夢有5勝、西郷真央5勝)