「迷惑をかけてしまった…」 うつむく15歳アマチュアに申ジエのサプライズ
◇国内女子メジャー◇日本女子オープンゴルフ選手権 3日目(28日)◇大利根CC 西コース(茨城)◇6845yd(パー72)◇曇り(観衆5068人)
初めて戦うツアーの週末が最高峰ナショナルオープンの舞台。しかも、最終組のひとつ前での上位争いだった。アマチュアの岩永杏奈(大阪桐蔭高1年)が「緊張で思うように身体が動かなかった」と話すのも無理はなかった。
2日目の「69」を支えたショットがブレて、フェアウェイキープ率は57.14%(8/14)、パーオン率55.56%(10/18)といずれも3日間で最も悪い数字。「ショットがなかなか思うように打てなくて、パターで耐える一日でした」。グリーンの外から我慢を強いられる場面も少なくない中で前半は9個のパーを並べたが、バーディを奪えないまま後半に3ボギーを喫した。
この日は申ジエ(韓国)との2サム。タフなラウンド中に話しかける余裕はなくても、飛距離面の不利を補う精度と考え抜かれたマネジメントは見ているだけで最高の学びとなる場面の連続だった。
一緒に回れたことに感謝するからこそ、「いろいろ迷惑をおかけしてしまったんですけど…」と申し訳なさそうに話す。ピンチをしのぐプレーとなったことで、同伴競技者である先輩プロのリズムを乱してしまったのではないか。ホールアウト後、自らを責めるように話していた15歳に元世界ナンバーワンの36歳がおもむろにキャップを手渡した。つばにサイン、「がんばって」と日本語でしたためたメッセージを添えて。
苦しかった18ホールの中でも、最終ホールでは7mのパーパットを流し込んで大歓声を浴びる見せ場を作った。そして、思わず目を見開いて感激したサプライズ。「ショットを修正して、また頑張れるように」と顔を上げる。通算2アンダー12位は、11人が残るアマチュアで依然として最上位。ローアマはもちろん、さらに上だって目指せる最終日だ。(茨城県坂東市/亀山泰宏)