「イメージしたゴールに現実が近づいてる」 河本結が脳裏で掲げる優勝カップ
◇国内女子メジャー◇日本女子オープンゴルフ選手権 3日目(28日)◇大利根CC 西コース(茨城)◇6845yd(パー72)◇曇り(観衆5068人)
河本結は最終18番のバーディパットに誰よりも自信があった。4.5mでラインは真っすぐ。そして“2%”の上りが入る。「いつも、あれを練習してるんです。たまたま、運よく(そのラインに)ついてくれて良かった。4打はきついと思ったので」。バーディ締めで通算5アンダーとして首位と3打差に踏みとどまった。
18番の距離とラインをパッティング練習の基準にしているのは、パッティングコーチの教え。「グリーンスピードと振り幅も決まっていて、4.5mを機械のように真っすぐ打てたら、どこからでも2ピン(約5m)はバーディチャンスになるから、と」。2%の上りであることも重要だから、パッティンググリーンの練習では入念な傾斜のチェックが欠かせない。最後のカップの“壁”に当てないようにジャストタッチで落とせれば、理想的なストロークができていることの証明になるとうなずく。
「イメージしていたゴールに、現実がどんどん近づいていってくれている」とほほ笑む。8月「NEC軽井沢72」で5年ぶりの復活優勝を飾った後には一時体調を崩していたが、必死にコンディションを戻し、自信を持って迎えたナショナルオープン。脳裏には、常にこの大会で優勝カップを掲げる自分の映像が浮かんでいる。
「ショートパットを打つ時とかも緊張するけど、『いや、私のイメージはこれ(優勝)だし』って思えば自然に打てる」。最高の瞬間を自らに刷り込むことで、苦しい場面でも気持ちは前を向ける。「こんな難しいセッティングなんて、そういうイメージを持ったもん勝ちだと思っている。その方が楽しめますし、イメージするだけなら“タダ”じゃないですか」と笑う。
最終日のウェアは黒のトップスに下はプリーツスカートとハイソックスのコーディネートと決めている。脳内で優勝カップを掲げる自分そのまま、最もチャンピオンズブレザーに似合うと思った勝負服で逆転を狙う。(茨城県坂東市/亀山泰宏)