稲見萌寧によぎった“撤退”の2文字 6月「全米女子プロ」ぶり復帰戦
◇国内女子メジャー◇ソニー日本女子プロゴルフ選手権大会 事前(3日)◇かねひで喜瀬CC(沖縄)◇6670yd(パー72)
稲見萌寧がおよそ2カ月ぶりの試合に臨む。6月の海外メジャー「全米女子プロ」は体調不良で2日目に棄権。日本に帰国し、8月「NEC軽井沢72」で復帰するはずだったが、国をまたいでの気温変化も相まって、「クーラーで風邪を引いた」と軽井沢での戦いは第1ラウンドスタート前に欠場した。
昨年11月の日米共催「TOTOジャパンクラシック」で優勝し、米ツアー参戦を決めた。今年は主戦場を米国としているため国内ツアーに出るには細かな規定をクリアする必要があり、この2カ月は思うように出場できず。さらにゴルフの面でもスイングの試行錯誤が続き、「(国内も海外も)両方とも出場できる状態ではなかった」ともどかしい時期が続いた。
試合に出られなかった期間、これからのことを考えた。来季の米ツアーのフルシードを獲得するには年間レースで80位以内が目安。一時期はシード圏内にいたが、現在は91位にいる。渡米しなければ落ちる一方とあって「撤退は一回考えた」。それでも、「出られる試合はあるって聞いて、もうちょっと、最後のギリギリまで頑張っていこう」と再び米国で戦う決意をした。今週の沖縄での試合を終えたあとは次週「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」に出場し、19日開幕「クローガー・クイーンシティ選手権 presented by P&G」で米ツアーに復帰する。
今週はハワイやグアムなど暖地のコースによく使用されるシーショアパスパラムという芝で、トーナメントコースにも珍しい。「やっぱり芝質は独特。色んな芝が混ざっているところもある」と注意を払う。
久々の“本番”は「『大丈夫かな』という恐怖心というか、心配事が増えるけど、逆にその気持ちに打ち勝てるように頑張りたい」と気を張る。ワクワクよりソワソワした思いが強いが、乗り越えた先に求める結果は待っている。(沖縄県名護市/石井操)