「絶対こっちで勝ちたい」 桑木志帆が“全英女子”回避の無念ぶつけるツアー2勝目
◇国内女子◇ニトリレディスゴルフトーナメント 最終日(25日)◇桂GC (北海道)◇6651yd(パー72)◇曇り時々晴れ(観衆1400人)
同じ週にスコットランドで行われているメジャー「AIG女子オープン(全英女子)」は体調不良で断念した。「語弊があると嫌ですが…全英に行かなかった分、絶対にこっちで勝ちたい」。少し控え目な言葉の裏で、桑木志帆のやる気はふつふつと燃えていた。
世界ランク上位者による全英女子出場権がランク84位の自分まで下りてきた、と連絡を受けたのは13日の火曜日。出たい気持ちは山々だったが、体調不良で見送った。ランク89位で同様に出場権を得た、仲のいい佐久間朱莉に「楽しんできてね」と思いを託し、自分は日本で結果を残すことを決意。「ほかの大会よりも、すごく気合が入っていた」という。
首位タイスタートの最終日に4バーディ、2ボギー「70」で回って逃げ切った。「本当はノーボギーで回ろうと思っていたから、ちょっと悔しいです」―。
同組の鶴岡果恋らに追い上げられながら「焦るのは良くない、落ち着いてやろう」と言い聞かせた。前半は4番で4m、6番も3mと微妙な距離を決め切って2バーディの「34」。10番(パー5)で2.5mのチャンスを決めて後続に2打差をつけた。しかし、サンデーバックナインは厳しかった。
13番で3オン2パットのこの日初ボギー。鶴岡もグリーンを外したが、2m弱を入れてパーセーブし、1打差に迫られた。16番(パー3)で7mのバーディパットが2mオーバーし、3パットのボギー。鶴岡らに並ばれた。しかし、気合十分の今週は崩れなかった。
「やらかしたと思ったけど、取り返せばいい」。17番で“ウイニングショット”を決めた。130ydを9番アイアンで、ピン左奥2mへ。「ちょっとつま先上がりで、ライン出しで抑えた感じ。あれが決め手だった」。勝負どころのチャンスを決め、再び単独首位に立って逃げ切った。
6月「資生堂レディス」のツアー初優勝に続く2勝目。「こっちのメジャーで勝って3年シードを獲って、QTを受けて向こう(米国)でやりたい」と話したが、年間ポイントレース(メルセデスランキング)は5位に浮上。年間女王になれば、4年シードも手に入る。「初優勝から早い段階で2勝目を挙げられた。この調子でいけばそれも見えてくる」。今回は見送った海外で戦う日は、そう遠くない。(北海道苫小牧市/谷口愛純)