忘れていた「振り切ること」 竹田麗央が海外メジャーで取り戻したもの
◇国内女子◇北海道meijiカップ 最終日(4日)◇札幌国際CC島松コース(北海道)◇6568yd(パー72)◇曇り(観衆2906人)
最終組の3組前から出て1打リードの首位で迎えた最終18番(パー5)。同組の河本結がバーディを決めて首位に並ばれた直後に、竹田麗央は2mのチャンスを入れ返して後続を振り切った。7バーディ、1ボギーの「66」。3日間全12ホールあったパー5のうち、9ホールでバーディを奪った。この日も4ホール全て獲り切ったパー5の攻略を勝因に挙げた。
今季パー5の平均スコア(4.545)は全体1位。「パー5は自信がある。ティショット次第では2オンを狙えるし、グリーンの近くから3打目を打てるのでチャンスにつく確率は高い」という、自身のプレーの支えでもある。「18番を獲った方が勝ちだと思った」という最終ホールも、1打目を右ラフに入れながら、110ydの3打目をチャンスにつけて狙い通りに決着をつけた。
ショットの状態も、最近は忘れていたと話す「振り切ること」を実践して上向いた。ショットも曲がる傾向にあり、55位に終わった3週前の海外メジャー「エビアン選手権」での気づき。「曲がってもしょうがない、と振り切ることでイメージも良くなったし、自信をもってできた」と胸を張る。
またグリーン上では、エビアン選手権からグローブを着用してパットを打っている。「ずっとグリップがしっくりこなくて、遊びで試してみたら良かった。最近ハマっています」。今週の1ラウンドあたりの平均パット数「26.67」は全体4位。海外メジャーでの経験や試みが、国内ツアーでも確かな成長への糧となっている。
5月「ブリヂストンレディス」以来の勝利により、2位にいた年間ポイントランキングは山下美夢有を抜いてトップに再浮上。まだ残り試合も多く、「接戦ですし、皆さん上手なのでついていくだけです」と話すにとどめたが、新女王候補の筆頭であることを改めて感じさせる今季4勝目となった。
3週後にはメジャー最終戦「AIG女子オープン(全英女子)」(スコットランド・セントアンドリュース オールドコース)も控えている。最高峰の舞台が、新女王へ突き進む21歳をまた強くする。(北海道北広島市/塚田達也)