「メダルはとりたい！」 山下美夢有は今季5度目の2位を経て「パリ五輪」へ

◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日（21日）◇ザ・クイーンズヒルGC（福岡）◇6505yd（パー72）◇晴れ一時雨（観衆3907人）

山下美夢有が2022年「楽天スーパーレディス」で勝みなみが記録して以来、史上2度目の「4日間大会ノーボギー」をマーク。当時の勝が樹立した「87ホール連続ノーボギー」を更新する「99ホール連続ノーボギー」のツアー記録を達成した。しかし、本人は「う～ん、そこは何とも思わないです。伸ばし合いの大会なんで」と言うしかない。

5度目の2位で、またも今季初優勝を逃した。納得できる部分があるとすれば、通算24アンダーで、2003年「ミズノクラシック」（3日間）のアニカ・ソレンスタム（スウェーデン）、16年「大王製紙エリエールレディス」（4日間）のテレサ・ルー（台湾）が記録した従来の「最多アンダーパー記録」に並んだことぐらいか。それも、優勝した川崎春花に4打差をつけられては…。

首位との2打差を追ってスタートした最終日。1番でアプローチミスから招いたピンチを、カラーから7mを沈めてしのいだ。その後は6バーディを奪ったが、「66」止まり。スティンプメーターで9ftという極端に重いグリーンでタッチに苦しみ続けて、自身がいう「今大会のビッグスコア」の基準となる“64以下”には届かなかった。

今季未勝利で5度目の2位を経て、いよいよ「パリ五輪」（8月7～10日、ル・ゴルフ・ナショナル／フランス）を迎える。幼少時からCS放送などで男子の米ツアーを見てきたこともあり、まずは「男子競技が楽しみです」と笑う。8月3、4日の男子決勝ラウンドを観戦できるように渡仏。「特に誰を、でなく全員見たい。どんな球を打つんやろって、楽しみです」。初めて見るコースとあって、当然チェックも忘れず、練習ラウンドに生かすつもりだ。

また、前週のメジャー「アムンディ エビアン選手権」でプレーし、キャリーで狭いエリアを狙う重要性や、欧州の硬い地盤を痛感。契約メーカー・ダンロップのプロ担当に、ロフト角8.5度で使っているドライバーを9.5度に微調整したものと、地面に弾かれにくいように58度のウェッジでローバンスのタイプをリクエストしている。

東京五輪では稲見萌寧が銀メダルを手にした。「やっぱりメダルはとりたいです。そのために全力で頑張ります！」。気持ちを切り替えていた。（福岡県糸島市／加藤裕一）