17回目で大会ベスト2位 38歳・藤田さいきを駆り立てるもの
◇国内女子◇RKB×三井松島レディス 最終日(12日)◇福岡CC 和白コース(福岡)◇6305yd(パー72)◇雨(観衆1285人)
38歳のベテランが、実施も危ぶまれた荒天の最終ラウンドで快走した。10位から出た藤田さいきが7バーディ、1ボギー、この日のベストスコア「66」をマーク。通算9アンダーの2位でフィニッシュした。通算6勝目を手にした2022年「エリエールレディス」以来となるトップ3に食い込んだ。
今大会は17回目の出場で、自己最高位は21年大会の6位タイ。19歳で初出場した05年大会から19年が経ち、それもタフなコンディションの中で大会自己ベストを更新した。「私は経験だけは豊富。もっとうまくなりたい、と思ってやっています」
この日、スタート前から降り続いた雨には「打ち急ぐことなく、慌ててやらないこと。ちゃんとグリップを握ってペースを崩さない」と基本を忠実に守る。頭で理解はしていても、いざ実戦になると意識を欠きやすいものだが、「それも経験だと思う」と実感をこめた。
3週後には、4月の日本地区最終予選会を突破して出場権を得た「全米女子オープン」(5月30日~/ペンシルベニア州ランカスターCC)が控える。22年「AIG女子オープン(全英女子)」以来となる2度目の海外メジャー。「全米に行けてうれしい」という初挑戦も、大きなモチベーションになっている。
「全米に向けていろいろ準備をしている」というひとつがアプローチショットの調整だ。「打ち方とか、このままじゃ通用しないと思うので」と、先週から「(ボールを)なるべく“運ぶ”ように、柔らかいボールを打つことを意識」することに取り組んでいる。今週3日間もコースで実践し、「それが、良かったんですよ」と声を弾ませた。
全米オープン前週の「リゾートトラスト レディス」(23日開幕/兵庫・関西GC)は欠場し、メジャー翌週は休むことなく「宮里藍 サントリーレディス」(6月6日開幕/兵庫・六甲国際GC)で復帰予定。「休んでも、どうせゴルフをやるんだし」。雨に濡れたまま、気力をみなぎらせた。(福岡市東区/塚田達也)