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ゴールデンウィークに輝く菅沼菜々「たくさん来ていただいた方が燃える」

◇国内女子メジャー◇ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ 2日目(3日)◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース◇6665yd(パー72)◇晴れ(観衆1万1721人)

最終18番(パー5)、明らかに強いと思った10mのバーディパットがカップに飛び込んだ。ゴールデンウィークに1万1721人のギャラリーが詰めかけた会場で菅沼菜々の笑顔が輝いた。「たくさん来ていただいた方が燃える。去年調子が良かった時、最終組とか優勝争いができた時にたくさん声援をいただいていたので、その感覚でうれしかった」。久しく離れていた“ステージ”の中心に立つ快感にテンションも上がった。

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ノーボギーの初日から一転、前半5番で3パットボギーが先行。メジャーのセッティングを無傷で乗り切れるとは思っていなかったからこそ、「逆にスイッチが入った」と話す。7番から2連続バーディで取り返すと、後半だけで4バーディ。ロングパットを沈めた18番を除いて5m以内のチャンスを生かした。今季初の60台となる「67」で通算6アンダー単独首位に浮上した。

2月に右ひざを痛めた影響で、スイングが崩れた状態のままシーズン開幕を迎えた。左肩の開きが早くなり、練習から薄い当たりを連発。フルショットで約100ydという52度のウェッジで抑えて90ydを打とうとしたら、今度はつかまって大オーバー…。「何をやってもうまく行かない」状態で、初戦から4試合連続予選落ちを喫した。自分がいないトーナメントの週末も誰が上に来ているのかが気になって仕方ない。年間レースで置き去りになる感覚に焦りは加速した。

初優勝を飾った昨季の活躍でオフのメディア露出が増えたことも影響してか、SNSには成績不振と結びつけるような、心ない声が届くこともあったという。「ひざをケガしたことも言っていなかったし、そう思われるのはいいけど、コメントとして書かれたら傷つかないわけじゃないので。見ないようにしよう、と」。4月にコメント欄を閉鎖し、会場で応援してくれるギャラリーの前で精いっぱいプレーすることに集中した。

急浮上のきっかけは前週月曜日、地元の練習場で見つけた。打ち込む中で原因に思い当たった。「もしかして、ひざをケガしたこと?」。意識するポイントが明確になり、本来のスイングを取り戻せた。「『なんであんなに悪かったんだろう』というくらい、見違えるほど良くなった。これからも調子のいい悪いはあると思うし、いい経験になりました」とうなずく。

「まず予選通過できてよかったし、たくさんの人の前でゴルフができるのが幸せです」。国内メジャーで優勝争いの先頭に立った選手とは思えない素朴なコメントが、乗り越えてきた苦しみを物語った。(茨城県つくばみらい市/亀山泰宏)

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